なぜ「文化情報学」なのか

文化情報学部では、文化とデータサイエンスを融合させた最前線の学問である「文化情報学」を学びます。もしかしたら、皆さんには聞き慣れない学部名かも知れませんが、私達文化情報学部は、この名称に強いこだわりを持っています。なぜなら、人類の所産として何世代にもわたって蓄積してきた「文化」こそが、人類を進化させ、繁栄させてきた原動力であり、その文化を科学的に追究する「文化情報学」は、人類の未来社会をより良く切り拓いていくために貢献できる学問と考えているからです。とりわけ、人類が直面している解決困難な問題(貧困や戦争、環境、コロナなど)に対して、人類の叡智としての文化とデータから新たな価値を引き出す学問であるデータサイエンスを融合させた「文理融合」のアプローチこそが、解決のヒントを導き出すことができると考えています。

なぜ「文理融合」なのか

日本では今でも高校時代に文系クラスか理系クラスに「人」を分けてしまいます。皆さんも自分を「文系人間」「理系人間」に当てはめていませんか。しかし、こうやって人を「文系人間」「理系人間」に固定的に分類するのは世界中どこを探しても日本だけなのです。考え方や研究方法には文系的、あるいは理系的なアプローチがありますが、本来人間はその両方を併せ持っている存在です。

では、なぜ文理の壁を越えた「融合」が必要なのでしょうか。近年はテクノロジーのめざましい発展によって、これまでには考えられなかったようなことが実現できるようになりました。AI技術によって、夢物語と思われていたようなコンテンツが次々に登場し、それこそデータサイエンスの力によって1人の人間では到底気づき得ないような知識の発見が可能となりました。しかし、重要なことは「その技術で何ができるか」ではなく、その技術の先にある「人間はどうありたいのか」という問題に目を向けられること、そしてその問題に高い洞察力を持って立ち向かえることです。つまり、「解く価値のある問い」を適切に見定め、その問いを解くための道筋を立て、科学的根拠に基づいて的確に解くための力が必要なわけです。もうお気づきの通り、これらの一連の作業にはこれまで分断されてきた文系的な思考と理系的な方法論の両方が必要になってきます。文化情報学部が学部設置からこの文理融合を徹底的に貫いてきたのはこのような理由からです。

文化情報学部を目指す皆さんへ

人類は長いその歴史の中で、自分とは異なる他者と互いに学び合うことで文化を育んできました。文化情報学部では、最前線の学問分野に身を置きながら、自分とは異なる背景、知識、価値観を持つ他の学生、そして教授陣も加わって互いに「学び合い」ながら、新しい価値を「共創」し、そして社会の知的多様性に貢献する喜びを体験してもらいたいと考えています。自分でも気づいていないポテンシャル(磨けば光る原石)を引き出し、そして大きく伸ばしたいと願うチャレンジ精神溢れる皆さん、文化情報学部でお待ちしています。

学部長 阪田 真己子[Ph.D.]

兵庫県姫路市生まれ。2002年神戸大学大学院総合人間科学研究科博士課程修了。博士(学術)。
ATR知能映像通信研究所研究員、福島学院大学講師を経て、2005年4月本学部専任講師に着任、2018年より教授。

同志社大学障がい学生支援室長、男女共同参画推進支援室長、スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室長、学長補佐などの学内役職を歴任する傍ら、学部内では2018年度から5年に渡り自己点検・評価委員長を務め、学部コンセプト、新カリキュラムデザインの舵取り役として中心的役割を果たした。2023年度より学部長。