文化資源学コース

計量文化解析特論1

文化に係わる諸事象に関し、データに基づく計量的な観点から研究を遂行できる能力を身につけることを目標とする。理論的な研究を実施する上で、どのような手法が有効なのか、過去の優れた理論家たちの苦闘を探究する。基本的な計量分析法について、その基本的考え方を説明するとともに、計量分析の有効性、妥当性、課題について論究する。

計量文化解析特論2

計量的研究の中心となる統計分析の手法について、基本的な考え方から、具体的な文化事象に着眼した分析の応用事例まで紹介する。受講生には、計量分析に関する幅広い知識と応用力、さらに自立して新たな視点から研究に取り組むことが出来る能力を身につけることを目標とする。

美術情報研究特論1

文化遺産、とくに美術作品の研究には、熟覧調査が不可分である。本講義では、文化情報学部所蔵の美術作品を含む遺産資料を対象として、繰り返し熟覧調査を行うことにより、作品を見る目を養い、作品が本来もつ様々な情報を余すところなく正確に取得することをめざす。さらに、作者、成立背景等について考察し、他作品との比較研究を通じて、作品に対する理解を深化させる。最終的には、これらの成果を調査結果報告にまとめる。

美術情報研究特論2

「シルクロードの終着点」ともいわれる正倉院に伝世した宝物を題材として、古代世界におけるユーラシア大陸の文化交流について理解を深める。約九千点にのぼる正倉院宝物の大半は8世紀の遺品で、高度な技法が用いられており、奈良時代の文化の粋を伝えている。また、大陸由来のものも多く含まれ、それらは西方の要素が色濃くみられる。多岐にわたる正倉院宝物のうち、とくに仏具、楽器・楽具、書蹟、調度等に焦点を当て、文化交流史上における正倉院宝物の重要性について考察する。

歴史文化情報特論1

文化の歴史を考察する上で、宗教という概念の正しい理解が必ず求められる。本講義では、宗教に関わる文化事象を歴史的な視座から研究する過程で、英文と和文による複数の先行研究の内容と方法論の成立背景や変遷を細かく追究し、デジタル・ツールを含む高度な歴史的・文化的事象の解析の方法論を会得する。そうすることによって、歴史研究だけでなく、現代社会における宗教のあり方を考える上で必要な知識を得る。

歴史文化情報特論2

近年、新資料が多数発見されたことで、日本中世の歴史的宗教像が大きく変わってきている。例えば、従来あたり前のように考えられてきた宗派という枠組による理解が大きく見直され始めている。その中で、特に密教、神道、禅に関係する資料を「近読」の手法で分析した上、デジタル・ツールによって、激動の時代に生まれた思想と文化事象のダイナミックスをより深く理解する。最終的に、中世から戦国期にかけての歴史および思想史を最新の研究成果に基づく切り口で研究できるようになることを目指す。

日本古典文学情報特論1

日本古典文学作品(和歌)を対象に、コンピュータを用いて、異本を含む諸本テキストを校合し、本文系統をめぐるさまざまな文献学的問題点を見出し、文学的意味づけを試みる。

日本古典文学情報特論2

日本古典文学作品(物語)を対象に、コンピュータを用いて、異本を含む諸本テキストを校合し、本文系統をめぐるさまざまな文献学的問題点を見出し、文学的意味づけを試みる。今年度は、『源氏物語』を採り上げる。

人類生態・時空間情報特論1

人類が関わる文化や社会などの現象は、ある時代や地域という時空間座標系において把握できる。この講義では、こうした時空間現象を扱う現象科学の考え方、実際に情報を処理・解析するシステム、具体的な事例研究を通じて、時空間情報システムの構築・運用と現象評価の実践を行う。対象は実際の歴史・地理空間における現象だけでなく、写真や絵画・グラフィックなども時空間情報を伴った対象といえ、歌や物語も同様である。受講者の専門性を重視し、各研究テーマに合わせた実際のデータ作成、解析、評価と現象モデルの構築までの実習をおこなう。学生は、各自の専門性に基づいた様々な現象や対象について、その構造論的な深い意味を考察するだけでなく、具体的な解析技術としてGISや関連手法について習得する。

人類生態・時空間情報特論2

時空間現象の解析では、そのデータの構造化によって現象そのもののモデル化が可能となる。また現象解析には時系列解析・空間統計解析などの数理解析技術、ピクセル・ベクトル情報の幾何演算、ネットワーク分析、時空間相関分析、サーフェース形状モデル、時空間自己相関分析、時空間シミュレーションなどが不可欠であり、これらの解析手法を習得する。また具体的な事例演習では、各受講生の専門性を重視する。

映像文化研究特論1

映画を計量分析する方法論は、Barry Salt、David Bordwell、Yuri Tsivianら映画研究者によって展開され、シカゴ大学では計量映画学のウェブサイト「Cinemetrics」が開設されている。本授業では、これまでの映画研究およびアニメーション研究と計量分析を接続する可能性について、受講生の発表とディスカッションを通して探る。

映像文化研究特論2

計量映画学では、映画およびアニメーションのショットデータにたいして、統計ソフトR等を用いて統計分析する試み(多変量解析等)が実践されてきた。そうした先行研究を読みつつ、さらに有益な方法論を展開させていく可能性について、受講生の発表とディスカッションを通して探る。

言語データ科学コース

言語生態研究特論1

本研究室では、学際的手法で言語生態系を捉えることを基本的コンセプトに、記号連続の解析から、それらの歴史的変化、言語接触による混合などの生態的性質を総合的にとらえることを目指している。具体的にまず、人類の共通する事象構造は如何に異なる言語形式によって示されているのか。この研究では、言語学的手法や計量的手法そして認知科学的手法が必要である。もう一つは、いわゆる標準語の観察によって得られた研究成果は如何に歴史的文献や方言によって裏づけられるのか。この研究では、GIS的手法やテキストマイニングが必要である。

言語生態研究特論2

本研究室では、学際的手法で言語生態系を捉えることを基本的コンセプトに、記号連続の解析から、それらの歴史的変化、言語接触による混合などの生態的性質を総合的にとらえることを目指している。具体的にまず、人類の共通する事象構造は如何に異なる言語形式によって示されているのか。この研究では、言語学的手法や計量的手法そして認知科学的手法が必要である。もう一つは、いわゆる標準語の観察によって得られた研究成果は如何に歴史的文献や方言によって裏づけられるのか。この研究では、GIS的手法やテキストマイニングが必要である。

コーパス言語学研究特論

用例重視の言語分析法について検討する。授業は講義形式で行うが、質疑応答の時間を十分設け受講者の積極的参加を促す。

言語コミュニケーション特論

言語表現の形と意味の関係について考察する。授業は講義形式で行うが、質疑応答の時間を十分設け受講者の積極的参加を促す。

言語記述研究特論

英語や日本語を対象として、言語記述におけるさまざまなアプローチを紹介する。記述と理論が健全なバランスをとりながら、豊かな言語現象に対して、一番最適な分析法を模索する。言語研究全般を講義によって概観し、テキストに収録された関連論文を批判的に検討する。
【キーワード】言語、記述、理論

計量語法研究特論

英語や日本語を対象として、語法研究におけるさまざまなアプローチを紹介する。記述と理論が健全なバランスをとりながら、豊かな言語現象に対して、一番最適な分析法を模索する。言語研究全般を講義によって概観し、英語語法文法学会、日本比較文化学会、表現学会などの学会誌に収録された関連論文を批判的に検討する。
【キーワード】言語、記述、理論

言語計算システム特論

この講義では、言語理論の1つである「生成文法」を取り上げ、基礎中の基礎から解説をおこなう。生成文法理論の枠組みで研究された論文を理解できるようになり、自ら選んだ言語現象を生成文法の枠組みで分析できるようになることを目指す。講義は全て担当者がおこなうが、受講生はあらかじめ教科書や指定された論文等に目を通しておかなければならない。教科書のデータは日本語が中心であるが、言語研究の対象は全ての「自然言語」であり、日本語だけではなく、様々な言語を扱うことになる。

言語インターフェイス特論

「言語計算システム特論」での講義内容を踏まえ、計算システムで生成された言語表現がインターフェイスにおいてどのように発話され、解釈されるのか議論する。様々な言語の統語現象を扱った論文を取り上げ、担当者が解説をおこなう。

言語運用研究特論

言語運用の研究に重きを置く機能言語学の枠組みを用いて言語分析を行うための方法について学ぶ。毎回、受講生が教科書の担当章のレジュメを用意し、授業中にその内容を報告し、全体で討論する。期末レポートでは、複数の分析指標を使って日本語または英語テクストを分析し、その結果を報告する。

言語計算科学特論

言語理論に基づく言語知識、言語運用のモデルの妥当性を計算機上で検証したり、言語研究から得られた知見を計算機上に実装し対話システムや言語教育等に活用するための言語資源の構築および利活用について学ぶ。前半は、学生が関連論文のレジュメを用意して発表し、その内容についてクラス全体で批判的に検討する。 後半は、学生が各自の研究テーマや興味に応じて言語資源の構築・利活用に関するテーマを設定し、演習および発表を行う。

行動データ科学コース

未来学特論1

Using a comparative cultural methodology, this course aims to have students acquire theoretical tools for analyzing cross-border cultural assimilation and mutual permeation. The lectures will explain the pattern in what appears to be chaotically-driven cultural assimilation, which has been accelerating more rapidly than expected due to the development of intercommunication networks such as the internet, as well as the internationalization of products, services, capital and the labor market. We will discuss cultural assimilation from the points of view of modernity, urbanization and multiculturalism. As a case study, we will use the theories of Kenneth Rexroth, who sought to transcend the problems associated with Western modernization by comparing modern Euro-American cultures with non-Western cultures.

未来学特論2

This course is a continuation of Advanced Lectures in Foresight and Futures Studies 1. It will provide students a deeper understanding of the structure of cultural assimilation, with the aim of analyzing critically the fine points of intercultural interaction. First, the lectures will explore how the culture of consumption has been transformed from a corporate to a transnational enterprise. Second, we will consider how culture has become organized more globally, with the result that cross-cultural understanding has emerged as a key corporate strategy. Third, we will weigh the conditions under which a given culture gains acceptance in a separate cultural sphere, and the extent to which people can assimilate successfully in alternate environments. Employing a historical perspective, we will compare and contrast Japan with the cultures of Europe and America. To utilize knowledge gained from the lectures, we will conduct experiments to envision new domains of scholarship based on Masao Miyoshi’s concept “Beyond Theory,” as well as using the Masao Miyoshi Bunko (Collection) in the library of Faculty of Culture and Information Science.

グラフィック表現研究法特論1

グラフィック表現はじめ、様々な視覚表現に対する人間の注意の働きを定量的なデータから推測する方法を学ぶ。とくに、視線計測による方法の利点と限界を理解し、その利用法を実践的に習得する。
【キーワード】注意と注視、停留とサッケードの定義、接触型機器と非接触型機器、注視分析と停留分析、生態学的実在性

グラフィック表現研究法特論2

グラフィック・デザイン、認知心理学、グラフィックス意味論の各分野の代表的な研究事例を概観し、グラフィック表現の認知的・感性的効果を研究する上で特に重要な知見を学ぶ。
【キーワード】図、情報グラフィックス、意味論的特性、図の認知的機能、推論、情報表現

計量社会学特論1

社会計量学は、数理的・統計的な知識を用いて、社会諸現象を分析する社会科学の一分野である。「社会の現状を見る」こと、「社会問題の存在を解明する」こと、さらに「社会の仕組みを構想する」ことにとって、数理的・統計学的理論及び具体的な計測・分析方法が必要である。本授業では、社会現象の計測・分析の基礎的数理について概説すると同時に、社会統計学理論を中心に、諸々の方法について講述する。なお、社会現象を扱うための社会科学的教養及び計量的な考え方を研究に取り入れようと考える院生を対象としたい。

計量社会学特論2

20世紀後半から始まったグローバル化による地球規模での瞬時情報伝達、政治・経済的な激変は、地域を問わず人びとのものの考え方、ライススタイルを大きく変え、価値観に凄まじい衝撃を与えている。本講義は、21世紀の地球規模での社会変動・変化をグローバル化というキーワードに基づいて現代社会のあり方を問い直すと同時に、実際の調査データを用いて東アジアの社会的変容を計量的に分析するための方法論とその応用について講述するものである。

認知システム研究法特論1

文化情報学と同様に、認知科学は心理学、言語学、人工知能といった様々な学問の集合体である。こうした学際的な研究領域である認知科学について、必要とされる背景的知識を理解し、主だった研究手法を学ぶ。

認知システム研究法特論2

文化情報学と同様に、認知科学は心理学、言語学、人工知能といった様々な学問の集合体である。こうした学際的な研究領域である認知科学について、必要とされる背景的知識を理解し、主だった研究手法を学ぶ。

身体表現文化研究法特論1

身体表現文化を解明するための方法論として認知科学や心理学、文化人類学などの学際的アプローチについて最新の研究動向を紹介しながら主たる研究手法とその意義と可能性について学ぶ。身体メディア、多人数インタラクション、無形文化など。

身体表現文化研究法特論2

身体表現文化を解明するためのデータ抽出法として、主に動作解析、行動解析の手法を実践的に習得し、得られた結果から身体表現文化を考察する方法について学ぶ。実験計画、行動・動作・生体情報の記録と解析およびその考察法など。

認知モデリング特論

認知科学においては実験や調査の結果をモデル化することで、認知や行動の予測や説明を行うことが求められることが多い。構造方程式モデリングを中心に、必要とされる知識および関連した手法を学ぶ。

ヒューマンコンピュータインタラクション特論1

コンピュータと人間のやり取りに関する学問である「ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)」について、その研究方法を包括的に学ぶ。HCI研究の背景にある情報処理技術・認知科学・行動分析学について解説し、HCI研究の歴史や意義を学ぶ。さらにHCI研究における実験設計や調査方法、データ収集と分析方法を学ぶ。これらの学習を通じて、HCI研究に関する専門的知識を身に着けることを目標とする。

ヒューマンコンピュータインタラクション特論2

コンピュータと人間のやり取りに関する学問である「ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)」について、その研究方法の実践的側面を学ぶ。
コンピュータやセンサ、小型ロボットなど様々なデバイスを用いて、コンピュータと人間の間のインタラクションを実装し、評価する方法を学ぶ。
これらの学習を通じて、HCI研究に関する実践的な知識と技術を身に着けることを目標とする。

データ科学基盤コース

数理統計学特論

数理統計学の理論について、数学的に教授する。記述統計、推測統計の基礎知識を前提とし、一般化線形モデルを中心に教授する。指数型分布族、十分統計量、最尤法、正規線形モデル、ポアソン線形モデル、ロジスティック回帰モデル、比例ハザードモデル、AICなど。

多変量解析特論

多変量解析の理論について、数学的に教授する。各種多変量解析の手法を数学的に定式化し、その本質の理解を目指す。記述統計・推測統計の知識を前提に多変量記述統計、多変量推測統計を教授する。記述統計では、平均ベクトル、分散教分散行列、変数変換、重回帰分析、主成分分析などを扱い、推測統計では、多変量確率変数、確率ベクトル、確率行列、特性値、多変量正規分布、多変量推測統計、一般化線形モデルなどを扱う。

情報アクセス技術特論

本講義では、人間が生きていく上では必要となる、大量の情報資源の中から必要な情報を効率的に見つけ出すための技術である情報アクセス技術の基本を講述する。学部講義では最も単純な検索エンジンについて講述しているが、現在の検索エンジンについては触れていない。そのため、世界中の情報科学の学生が情報アクセス技術を学ぶために使用しているテキストを用いてその基礎を学ぶ。

データベースシステム特論

本講義では、あらゆる組織の基幹業務や意思決定に必要不可欠なものとなっているデータベースシステムについてその理論を講述する。学部講義ではデータベースシステムの利用を重点に講述しているが、その理論的背景については触れられていない。そのため、世界中の情報科学の学生がデータベースシステムを学ぶために使用しているテキストを用いて、その基礎を学ぶ。

生物統計学特論

この授業では、生物統計学で理解が必要となる実験と観察の区別と、よく利用されるデータの解析方法に焦点をあてる。Tufte(1997)の“Visual and Statsitical Thinking”は、ロンドンにおけるコレラ流行の阻止とスペースシャトルの墜落という2つの現実に起こった生死にかかわる事件を取り上げ、どのようにデータが解釈され、提示されるべきかを論じたブックレットである。前半はこのブックレットをテキストとして輪読し、クラスディスカッションを行う。後半は生物統計学で広く用いられる考え方とデータ解析のための手法を取り上げる。必要に応じてソフトウエアを用いた演習を行う。

統計コンサルティング特論

この授業では、受講生が統計的データ解析を応用する者から研究計画とデータ解析の相談をされた場合に、統計的な側面からのアドバイスができることを目的としている。前半は、van Bell(2008)の第1章を輪読し、サンプルサイズの設計の考え方を学ぶ。後半は、受講者が何らかの実例を持ち寄り、それらの検討を行う。また、計3回のクラスディスカッションによって相談された際にどのような視点に注意をすべきかを把握する。

時系列解析特論

時点ごとに観測されるデータを時系列データといい、一般に観測値の間に相関関係がある。したがって時系列データ解析には通常の独立性を仮定した統計手法を用いることは不適当であり、新たな手法の開発を必要とする.時系列解析の主な目的は予測にある。時系列解析は様々な社会現象、経済現象や医学・薬学情報、のような複雑な現象を解析するために欠かせない道具である。本講義では時系列解析の基礎理論と解析法について教授する。特に定常な時系列に主眼を置く。予測するためには何か一定な事が必要であろう。内容は、定常時系列モデルである自己回帰モデル、自己回帰移動平均モデルの導入、最小二乗法やスペクトル解析などの解析法の開発とそのモデルに対する推定・予測への応用、トレンドや季節変動の導入と推定と予測への応用、およびパラメータが時間により変動する非線形定常時系列モデルとその推定・予測などである。

アルゴリズム特論

本講義ではアルゴリズムの計算量と問題の複雑さの理論について学ぶ。文化現象の複雑な問題や文化に関わる大規模なデータを扱う際、計算機の性能を最大限に引き出すためには、アルゴリズムを適切に選択し調整するなどの工夫が重要である。代表的な問題とそれらに対する代表的なアルゴリズムの例を学習することを通じて、効率的かつ効果的な問題解決能力を涵養する。

経済統計学特論

本講義では、経済理論の実証や経済データ分析手法を、データサイエンスの視点から学習する。学部レベルの確率統計の知識は前提とする。線形回帰モデルの最小二乗法から出発し、分位点回帰、セミパラメトリック法、ノンパラメトリック法、制限従属変数法、計算機統計学的手法や、部分識別法などの最新の成果まで、理論に加え実データ分析例も交えながら網羅的に学習する。

ベイズ統計学特論

本講義では、ベイズ統計学を理論、計算、応用の3つ側面から学習する。古典的な統計的決定理論の文脈でベイズ推定、ベイズ予測の理論を学習した後に、近年のノンパラメトリックベイズ法の理論についても概説する。事後分布からのサンプリング法であるマルコフ連鎖モンテカルロ法の理論や実装についても学習し、さらに、これらの手法の学習理論や計量経済分析への応用例についても紹介する。

情報統計力学特論

統計力学の観点から情報学を学ぶ。情報学やデータサイエンスは、集められた情報やデータから如何にして知識を獲得するかということが重要である。これは多くの原子・分子からなる物質の性質を解明するために発展してきた統計力学と構造的類似性がある。統計力学に由来する情報学的手法を知り、身に付けることを目標とする。

サンプリング法特論

情報学・情報理論の観点からサンプリングの方法を学ぶ。サンプリングとは実験・調査・計測によりデータを獲得することであり、如何にして効率的にデータを獲得するかという問題はデータサイエンスにおいて重要である。統計学における伝統的な実験計画の考え方に加えて、現代的な情報学的手法が組み合わさることにより発展しているサンプリングの方法を知り、身に付けることを目標とする。

数理最適化特論

本講義では数理最適化の基礎と応用について学ぶ。数理最適化は与えられた制約条件のもとで目的関数を最小化または最大化するという、きわめて単純な枠組みでありながら、現実社会の問題解決において広い応用範囲を持つ。数理最適化における代表的な問題・解法・実装について学習することを通じて、効率的かつ効果的な問題解決能力を涵養する。

シンポジウム科目

シンポジウム1

本科目では前期課程・後期課程の各学年の学生が共に学ぶ場としてシンポジウム形式で、研究発表とそれに関する討論を行う。特にコース内シンポジウムでは受講者自身による研究発表を行い、研究の現状と進め方を報告することで、質疑応答を通した新しい研究の視点や研究方法のアドバイスを受けることができるようになる。
また、研究科共通シンポジウムでは文化情報学に関する一つのテーマを取り上げ、それを中心にゲストスピーカによる講演や教員、後期課程の院生による研究発表と討論を行い文化情報学の新しい方向性と可能性を探る。

シンポジウム2

シンポジウム1に引き続き、本科目では前期課程・後期課程の各学年の学生が共に学ぶ場としてシンポジウム形式で、研究発表とそれに関する討論を行う。特にコース内シンポジウムでは受講者自身による研究発表を行い、研究の進捗状況を報告することで、質疑応答を通した新しい研究の視点や研究方法のアドバイスを受けることが出来るようになる。
また、研究科共通シンポジウムでは文化情報学に関する一つのテーマを取り上げ、それを中心にゲストスピーカによる講演や教員、後期課程の院生による研究発表と討論を行い文化情報学の新しい方向性と可能性を探る。

シンポジウム3

シンポジウム2に引き続き、本科目では前期課程・後期課程の各学年の学生が共に学ぶ場としてシンポジウム形式での研究発表とそれに関する討論を行う。特にコース内シンポジウムでは受講者自身による研究発表を行い、今までに得られた研究成果と修士論文の取りまとめに向けての方針を報告する。さらに、それらに関する討論を行い、質疑応答を通して、各専門コースにおける自身の研究の位置づけや研究方法のアドバイスを受けることができる。
また、研究科共通シンポジウムでは文化情報学に関する一つのテーマを取り上げ、それを中心にゲストスピーカによる講演や教員、後期課程の院生による研究発表と討論を行い文化情報学の新しい方向性と可能性を探る。

シンポジウム4

シンポジウム3に引き続き、本科目では前期課程・後期課程の各学年の学生が共に学ぶ場としてシンポジウム形式での研究発表とそれに関する討論を行う。特にコース内シンポジウムでは受講者自身による研究発表を行い、今までに得られた研究成果と修士論文の構成について報告する。さらに、それらに関する討論を行い、質疑応答を通して、各専門コースにおける自身の研究の位置づけや研究方法のアドバイスを受けられると共に、修士論文が執筆可能かどうか判定される。
また、研究科共通シンポジウムでは文化情報学に関する一つのテーマを取り上げ、それを中心にゲストスピーカによる講演や教員、後期課程の院生による研究発表と討論を行い文化情報学の新しい方向性と可能性を探る。

専門社会調査士認定科目

調査法特別演習Ⅰ

様々な情報が多岐にわたる手段により発信されている今日では、情報の真贋を確かめたり、社会的・文化的現象の本質を解き明かにしたりする能力がますます求められている。本特別演習は、変容する社会の様相や人々の考え方を把握するためのより複雑な社会調査の企画・設計・実施、調査結果の整理・分析などの実践的な知識と技能を習得させる。具体的には、統計的調査方法論に則った「仮説検証型」と「事実発見型」調査の企画と設計、調査方法の決定、調査票の設計、標本抽出の理論と方法、調査データの整理、無回答問題の対応、量的分析と質的分析などを調査実践により理解させると同時に、調査報告書およびデータ解析に基づく学術論文の作成に関する技法を身につけさせる。履修者は、この特別演習で独自に社会調査理論の理解を深めると同時に、調査の企画・実施、調査結果の整理・分析に関するノウハウと実践能力を身につけることができる。

調査法特別演習Ⅱ

人文社会科学分野では、少数の対象者へのインタビューや典型的事例の観察などを行うことでデータを収集し、その分析を通じて特定の社会現象を明らかにする質的調査法が活用されている。この特別演習は、社会調査法のうち「量的調査法」に対して「質的調査法」と総称されるデータの収集・分析方法について、個別の方法(インタビュー法、参与観察法、ドキュメント分析法など)に関する基本的な理論と技能を習得することを目的とする。それぞれの方法にもとづく優れた既存研究を取り上げ、どのような方法が実際の研究の中でどのように生かされているかを具体的に検討しながら進めていく。

社会調査特別研究指導Ⅰ

複雑な社会問題や文化現象を正確に理解するためには、社会調査の技法を活用して1次データを収集するためのノウハウを把握するだけではなく、既存のデータに含まれる有用な情報を抽出して理論的考察を行うための技能も不可欠である。本特別研究指導は、社会調査の理論及び応用にかかわる研究論文の執筆方法を実践的に指導することを目的とする。
具体的には、複数の担当教員による異なる内容の指導を中心に、社会調査理論、調査設計方法、サンプリング、調査実施方法、各種の調査データ分析などに関連する研究報告・学術論文の執筆技能を習得させる。

社会調査特別研究指導Ⅱ

複雑な社会問題や文化現象を正確に理解するためには、社会調査の技法を活用して1次データを収集するためのノウハウを把握するだけではなく、既存のデータに含まれる有用な情報を抽出して理論的考察を行うための技能も不可欠である。本特別研究指導は、社会調査の理論及び応用にかかわる研究論文の執筆方法を実践的に指導することを目的とする。
具体的には、複数の担当教員による異なる内容の指導を中心に、社会調査理論、調査設計方法、サンプリング、調査実施方法、各種の調査データ分析などに関連する研究報告・学術論文の執筆技能を習得させる。

多変量解析特別演習

数理統計学および多変量解析の基礎を踏まえ、各種統計解析法を統計モデルとして位置づけ、統計モデルの考え方や各解析法の本質を理解する。基本的な統計解析法として取り上げるのは、重回帰分析、分散分析、ロジスティック回帰、ポアソン回帰、対数線形モデル、生存時間分析などである。これらの解析法の適用のための条件を正確に理解し、目的や状況に応じた適切な統計解析法の適用について学ぶ。