必修科目

文化情報学入門

1年次春

様々な文化現象における問題に対して、情報科学、数理科学、統計科学におけるどのような手法が用いられており、どのような研究成果が得られているのかを紹介するとともに、文化現象の解明や記述に対してどのような有効な手法が考えられるかを概観する。

コロキアム

1年次秋

リサーチ・リテラシーの基礎を学ぶ。様々な文化体験や卒業研究等の発表会に参加・討論する機会を通じて文化情報学研究のおもしろさを理解する。

文化情報学演習1

1年次秋

文化・言語現象を対象とし、基礎的な探究型演習をおこなう。グループ単位での演習を通じて先行研究・参考文献の探索、文献の読み方、興味深い現象の見方や・データ収集・分析方法などを学び、調査結果を論理的にまとめ、発表し、レポートを作成する。

文化情報学演習2

2年次秋

人間の行動や社会に関わる現象を対象とし、基礎的な探究型演習をおこなう。グループ単位での演習を通じて先行研究・参考文献の探索、文献の読み方、興味深い現象の見方や・データ収集・分析方法などを学び、調査結果を論理的にまとめ、発表し、レポートを作成する。

文化情報学演習3

2年次春

ジョイント・リサーチ、卒業研究の実施に向けて実際に統計解析ソフトウエアを使用した基礎的なデータ解析の方法を習得する。データの要約・視覚化、データサイエンスによる具体的な解析の手法および解析結果の解釈の仕方やレポート作成の方法を学び、データを適切な方法で集計・解析し、レポートする能力を養う。

アドバンスト・コロキアム

2年次秋

卒業研究等の発表を聴き、質問やコメントなどの討議に参加することが求められると同時に、討議を通して、卒業研究のゼミの選択や自分の研究テーマを絞り込む機会とする。

ジョイント・リサーチⅠ・Ⅱ

3年次春・3年次秋

グループ単位で創意・工夫を凝らした研究活動をおこなう。演習・講義科目で学んだ文化現象の知識やデータサイエンスの実践力を活用し、問題を発見・解決する能力を養う。研究結果の発表・討論、レポート作成をおこなうことによって研究対象の理解を深め、卒業研究への布石とする。

卒業研究Ⅰ・Ⅱ

4年次春・4年次秋

個々の学生の関心に基づいて研究室を選択し卒業論文を執筆する。必要に応じて副担当教員からも助言を受け、文系・理系の枠を超えた研究活動を展開する。さらに進捗についての発表等を通して、これまでの研究活動で得られた問題発見・解決力やプレゼンテーション能力のさらなる発展を目指す。

A群(文化クラスター科目群)

文化資源学科目

日本文化史

1年次春

音楽・文学・絵画・芸道の4つの分野の中から、毎年1つの分野について、日本の伝統文化の歴史を、基礎的な知識を中心に論じる。

文化計量学入門

1年次春

データに基づいた、文化に関わる現象の計量的、客観的な研究法について、基本的考え方、データの生成法、計量的分析法、分析の注意点等について講義する。

現代文化概論

1年次春

映画とアニメーションを中心に、科学技術および国際社会との影響関係を検討する。技術の変遷および社会背景(戦争、ジェンダーギャップ等)が、映像表現にいかに関わるか確認しつつ、生産・流通・消費のネットワークを視野に入れて、映像文化を複合的に分析する訓練を積む。

歴史文化情報入門

1年次秋

列島の文化史:日本の歴史を、列島各地の地域性と地域文化に注目して、遺跡・史料・地名・地形など様々な歴史文化情報の総合により見直す。

文献学入門

1年次秋

『源氏物語』など複数の写本が伝来する文献について、写本間に存する本文異同から伝本の性格を比較分析する、本文批判の方法を説く。

歴史文化情報概説

2年次春

遺跡の見方と考え方:日本の国家形成に重要な役割を果たした古墳時代を中心に、邪馬台国・伝仁徳天皇陵古墳などの論争もふまえ、古墳時代の多彩な情報の客観的な総合化の方法を考える。

文献講読

2年次春

『源氏物語』や『百人一首』などの日本の古典文学作品を、くずし字に親しみながら、複数の写本の本文を比較して読み進める。

美術史学

2年次春

美術品の歴史と意義:歴史学としての美術史、美学(哲学)史としての美術史について、伝世された日本の芸術作品に即して考察する。作品なくして美術史学が存在しえないことを究極的に見すえることを目的とする。

履修推奨科目:「文献学入門」、「日本文化史」

文化解析

2年次秋

現代の「動く映像」の出発点である映画とアニメーションにおける、
(1) 基本的な映画の規則(ショットの概念、フレーム、モンタージュ等)
(2) 計量分析方法
を学び、多様なデジタルメディアに応用して分析する能力の習得を目指す。

文化・社会人類学

2年次秋

「人類とは何か」という命題に対し、人類を取り巻く生物・形質学的進化、現象に対する反応や行動、それによる文化や社会の変容と実態を、人類の生態、進化、歴史、文化の様々な側面から検証し、無限の「文化」観や「現象」の多様性を、実際の人類学的、社会学的調査データから考察する。様々な学問分野で想定される「人類」というイキモノの定義と哲学的命題、生物遺伝子とミーム、人類やその社会を調査する方法とデータ解析、文化を実践的に扱い研究する方法。

音楽解析

2年次秋

日常接する多様な音楽について、音響の可視化や楽譜情報の変換などによる基礎的データの取得と客観的な分析の方法を学ぶ。また、これらのデータと音楽評価データなどとの関連性についても学ぶ。

歴史文化情報論

3年次春

分類・編年・分布・解釈:歴史文化情報概説をふまえ、日本の考古学および歴史学研究における、主に定量的な分析の歴史と実際と課題について考える。

履修推奨科目:「歴史文化情報概説」

文化記号論

3年次秋

衣食住などの暮らしや文学・美術・音楽・伝統芸能などの文化活動、スポーツ・流行・広告などについて、記号という代替による認識の対象と認識する意識の関係性を探る。

古典文化論

3年次秋

古典文化の可能性:近代および現代の文化が、それ以前に成立した文化をもとに成立したことを絵画を材料に明らかにする。ポスト・モダニズム論の虚妄を検証する。

履修推奨科目:「歴史文化情報入門」、「文献講読」

伝統音楽論

3年次秋

西洋と日本の古典音楽を中心に「人間と音楽のかかわり」を考え、文化情報学部での研究対象として音楽文化を扱う上で個別事象をいかに普遍化するかを探索する。

言語データ科学科目

世界の諸言語

1年次春

世界で話されている様々な言語を取り上げ、言語間に見られる多様性の理解を目指す。さらに、世界のあらゆる言語に共通して見られる普遍的特徴や「言語とは何か」という問題についても考察する。世界の諸言語、言語の分類、言語の多様性、言語の普遍性。

履修推奨科目:「ことばの科学」

ことばと文化

1年次春

人間の諸活動全般を「文化」と捉え、文化とことばとの接点を探る。文化とは、文化比較の理論と実際(価値志向、自然観、関与性、時間的観念など)、日英語に見られる文化比較、男ことばと女ことばに見られる文化比較、非言語行動に見られる文化的諸相。

ことばの科学

1年次秋

ことばを分析するための前提となる基礎知識を解説し、言語研究のおもしろさを理解してもらう。ことば、科学、ことばを科学することの意義、言語音・語・句・文の形式的性質、語・句・文の意味、ことばの獲得、ことばの使用。

ことばと社会

1年次秋

履修推奨科目:「ことばの科学」、「ことばと文化」、「データサイエンス基礎」

同じ言語の話者であってもその人の性別、年齢、出身地といった属性や場面によってことばづかいが異なるような事例を解説し、ふだん何気なく使っている言語の多様性とその要因を理解させる。例えば、言語と社会、言語と社会階級、言語と民族、言語と性別、言語と場面、言語と国家、言語と地理、言語と文字体系、言語の変化等。

言語研究の方法1

2年次春

言語分析に関する一般的な概念や研究方法について、音・語・文・意味のレベルで解説する。主として、英語・日本語のデータを分析対象とする。言語の一般的性質、動物の「ことば」、音声学、音韻論、形態論、語形成、統語論、意味論、語用論。

履修推奨科目:「ことばの科学」

言語類型論

2年次春

個別言語を比較・対照し、言語間に共通する特徴を探る。歴史的に関係づけることができない共通の特徴をどのように抽出するのか議論する。また、言語間の特徴の分析や言語の分類と理論化について学ぶ。語形成、品詞分類、格、語順、ヴォイス。

履修推奨科目:「世界の諸言語」

コーパス言語学

2年次春

コーパス(言語研究に使用するために大量に収集された書き言葉および話し言葉のテキスト)と語の出現頻度や出現状況を可視化するコンコーダンスソフト等を利用して、言語をより広く深く理解することを目指す。例えば、コーパスの作成、コーパス検索の技術、コーパス頻度の処理、コーパスに基づく語彙・用例・文法研究、学習者コーパスの利用等。

履修推奨科目:「ことばの科学」

言語研究の方法2

2年次秋

この講義では、これまでに学んだ音韻分析・形態分析・統語分析・意味分析などの方法を活かした言語データの分析をおこない、従来の記述の妥当性を考察する。未だ十分な説明を与えられていない言語現象を取り上げ、記述の一般化を図る。

履修推奨科目:「言語研究の方法1」

音韻論

2年次秋

言語音の音韻的性質を記述・分析する方法を学ぶ。具体的には、音素をどのように決定するのか、音素は音韻的・形態的環境に基づいてどのように表層に現れるのか、音素同士はどのように結合してより大きい単位を構成するのか、音素とは別にアクセントやイントネーションなどの韻律的特性がどのように具現するのかなど、自然言語の様々な音韻的現象を扱う。

履修推奨科目:「ことばの科学」「世界の諸言語」

統語論

3年次春

自然言語の可能な記号列を生み出すモデルを概観する。モデルがどのような言語データや理論的問題に直面することによって修正・破棄されるのか、その歴史的変遷を辿り、モデルの妥当性を考察する。生成文法、オートマトン、初期理論、標準理論、改訂標準理論、改訂拡大標準理論、Tモデル、原理とパラメータ理論。

履修推奨科目:「言語研究の方法2」

語用論

3年次春

ことばを理解・発することを行動の1つとして捉え、ことばが実際の会話や文章の中でどのように理解され、その後の行動に影響を及ぼしているのかについて論じる。例えば、命題的意味と話者の意図、発話行為、協調の原理、文脈、談話構造など。

履修推奨科目:「言語研究の方法1」

言語と脳科学

3年次秋

言語データからどのように言語を生み出す脳内の神経生理学的メカニズムを探ることができるのか議論する。自然言語の普遍的性質、脳の基本構造と言語野、生得仮説、言語能力の獲得と損傷、生物言語学、脳機能イメージング、言語の神経生理学的性質。

履修推奨科目:「統語論」

認知言語学

3年次秋

ことばは人間がもっている認知能力の反映であるという仮定に基づき、ことばの意味とは何か、また、ことばの意味が多様に解釈されるのはなぜかについて論じる。例えば、言語と認知能力、意味の定義と記述方法、カテゴリー化、プロトタイプ、比喩、文法化、多義性など。

履修推奨科目:「言語研究の方法1」

行動データ科学科目

身体論

1年次春

あらゆる知の発生基盤である「身体」について考える。多分野にわたる研究者、専門家が「身体」に関わるトピックを提供し、「身体」を契機とした諸問題を概観する。

認知科学入門

1年次秋

認知科学における基礎的な概念を学び、心や知性を科学的に理解することは可能か、という問いに答える。例えば、心身問題、表象主義、認知科学における計算の概念など。

社会調査入門

1年次秋

社会調査の方法について基本的な知識を習得する。社会調査の歴史的背景、目的、必要性、意義、種類と実例(量的調査、質的調査、国勢調査、官庁統計、世論調査、市場調査など)、調査に伴う倫理な問題点について解説し、社会を正しく知るための社会調査の入門的知識を学ぶ。

事前履修科目:「データサイエンス入門」

履修推奨科目:「データサイエンス基礎」

人間と文化

2年次春

文化領域を学習するための基礎科目である。文化を芸術に限らず、たとえば宗教や都市化など、広く人間が活動するすべての領域としてとらえ、文化と人間の関係を文化理論を用いて講義する。

感覚・知覚論

2年次春

人間が外部世界の心的表象をどのように形成しているのかに関する感覚・知覚の知見に関して講義を行う。例えば、視覚システムの基礎、明るさ・色の知覚など。

履修推奨科目:「認知科学入門」

社会調査法

2年次春

社会調査におけるデータ収集方法と調査データ分析方法を習得する。例えば、調査企画と設計方法、仮説の構成、標本抽出法、質問文・調査票の作成、調査の実施法、データの集計方法、量的・質的データの分析方法など社会におけるデータに基づいた問題の発見と探究方法を学ぶ。

事前履修科目:「社会調査入門」

履修推奨科目:「定量的データ分析」

計量社会学

2年次春

既存の社会学諸分野にとらわれず、社会システム・諸社会現象への理解や行動科学に必要な統計的・数理的な専門知識を身につける。研究設計、既存資料の活用、データの収集・分析などに関する方法論と、社会科学研究を遂行するための計量的な技能を学ぶ。

事前履修科目:「社会調査法」

履修推奨科目:「定量的データ分析」「定性的データ分析」

視覚表現論

2年次秋

図、絵画、写真、映像などの視覚表現を、人類が継承する重要な文化として捉え、視覚表現の様々な方法、形態、機能を概観する。また、主として認知科学の観点から、視覚表現の機能を科学的に研究する方法の基礎を学ぶ。

履修推奨科目:「論理と数理」「認知科学入門」「感覚・知覚論」

比較文化論

2年次秋

異なった地域や集団の文化、あるいは、ある文化の過去と現在など、2つ以上の文化形態を比較・対照し、文化理論を用いて特定の文化現象を記述する方法を講義する。

身体メディア論

2年次秋

原初的感性メディアである「身体」を媒介として伝達される情報の発信・受信メカニズムや、非言語コミュニケーションにおける「身体」の果たす役割について概観する。

履修推奨科目:「身体論」

社会調査演習

2年次秋

社会調査入門、社会調査法などで学んだ知識に基づいて、調査の企画から報告書の作成までの一連のプロセスについて実習・演習を行う。例えば、調査の企画、質問文・調査票の作成、対象者・地域の選定、サンプリング、調査の実施、ソフトウェアを用いたデータの整理・集計・分析、報告書の作成など。

履修条件科目:「社会調査法」

認知科学の方法

3年次春

認知科学で用いられる研究方法で、文化の研究に関連したものをとりあげて概観する。例えば、尺度構成、行動観察、認知研究など。

認知科学実習

3年次春

「認知科学の方法」で概観する研究方法を中心に実習を行う。

履修条件科目:「認知科学の方法」

行動計量分析法

3年次春

「文化とは何か」という命題に対し、それが人々の様々な「行動」によって作り出され、人間生活を豊かにする新しい価値を生み出すものであると定義し、文化を理解するための具体的な計量対象としての人間行動に照準を合わせ、行動にかかわるデータの獲得・分析の論理と手法、結果解釈までの方法論と実践的な適用を学ぶ。

履修推奨科目:「文化・社会人類学」、「定量的データ分析」、「定性的データ分析」

認知システム論

3年次秋

人間の認知システムについて、主だった実験結果や理論を概観する。例えば、注意、記憶、カテゴリー化など。

履修推奨科目:「感覚・知覚論」

社会ネットワーク分析

3年次秋

個人や組織の関係をネットワーク理論から捉え、様々な集団のダイナミズムやリーダーシップ構造の分析に有用な知識を習得する。ネットワークの概念、原理及びデータの獲得・活用に関する理論とともに、パーソナル・ネットワーク、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)、組織文化などへの応用技能を学ぶ。

事前履修科目:「社会調査法」

履修推奨科目:「情報理論」「最適化法」「比較文化論」

B群(データサイエンス科目群)

データ分析科目

データサイエンス入門

1年次春

データ処理と記述統計の基礎を学ぶ。データ、データの尺度水準、データの要約と視覚化、記述的な回帰分析。

履修条件科目:「データサイエンス入門演習」

データサイエンス入門演習

1年次春

データサイエンス入門の内容に対応して、実際に表計算ソフトウェアを用いた演習を行う。データ処理、データの要約と視覚化、回帰分析の演習。

履修条件科目:「データサイエンス入門」

データサイエンス基礎

1年次秋

確率と推測統計の基礎を学び、実際に問題に対して推測統計の方法を適用し、結果を解釈する方法を学ぶ。確率変数と確率分布(数学的ではなく素朴に)、期待値と分散、基本確率分布、母集団と標本、推定と検定、分散分析(数学的ではなく具体的に)、分割表と独立性の検定。

事前履修科目:「データサイエンス入門」、「データサイエンス演習」

データサイエンス演習

1年次秋

データサイエンス基礎の内容に対応して、実際に表計算ソフトウェアを用いた演習を行う。各種統計量の導出、推定と検定、分散分析、独立性の検定。

履修条件科目:「データサイエンス基礎」

事前履修科目:「データサイエンス入門」、「データサイエンス入門演習」

定量的データ分析

2年次春

人類の文化・社会を対象とし、様々な量的データから現象の本質を見抜く論理と方法を学ぶ。データの次元、多次元データの縮約、多次元データの固有値問題、などのデータの論理。主成分分析・判別分析・回帰/重回帰分析・クラスター分析・因子分析・系統分析などの分析の手法。データ分析の論理と手法によって、人類の生態や心理、行動や社会・文化などの多様なテーマに沿って、データの作成→評価→分析→評価→解釈という手順を追った実践形式での講義を行う。

履修条件科目:「定量的データ分析演習」

事前履修科目:「データサイエンス基礎」

定量的データ分析演習

2年次春

定量的データ分析で学んだ様々な分析事例を踏まえ、より実用的なデータ分析を受講生自らが演習形式で実践し、論理や手法の応用力を育成する。人類を取り巻く様々な現象を具体的に取り上げ、データ解析ツールを用いて分析し、その現象の解釈を行う(受講生自らが主題を選定し、命題をたて、データ作成から分析→解釈までを実践する)。

履修条件科目:「定量的データ分析」

事前履修科目:「データサイエンス演習」

定性的データ分析

2年次秋

文化科学や社会科学におけるカテゴリカルデータ分析の論理と方法を理解することを目指す。例えば、カテゴリカルデータの記述と整理、カテゴリカルデータの確率分布、カテゴリカルデータの推測統計、分割表のモデリング、ロジステック回帰、対応分析などに関する知識と方法について学ぶ。

履修条件科目:「定性的データ分析演習」

事前履修科目:「定量的データ分析」

定性的データ分析演習

2年次秋

定性的データ分析で学んだ知識の理解を深め、データに基づいた問題解決のスキルを向上する。データ解析専用ツールを用いて、定性的データ分析で学んだ知識と手法について演習を行う。

履修条件科目:「定性的データ分析」

事前履修科目:「定量的データ分析演習」

ベイズ統計

3年次春

ベイズ統計法とは、事象の条件付確率から導かれるベイズの定理に基づいて推論を行う統計分析手法である。本講義では、基本的なベイズ統計の理論、実用的なベイズ統計モデルを用いた分析法に加え、ベイズ法の実装に中核的な役割を果たすマルコフ連鎖モンテカルロ法について学習する。ベイズの定理、ベイズ決定、事後分布、事前分布、マルコフ連鎖モンテカルロ法、ベイズ学習。

事前履修科目:「確率統計」、「数理統計」

機械学習

3年次春

データに基づいた特徴抽出、予測、判別・識別のための機械学習法について、教師なしの学習法と教師ありの学習法を中心として統計的機械学習法およびアンサンブル学習法、カーネル法、ニューラルネットワーク学習法などについて学ぶ。

事前履修科目:「定量的データ分析」

履修推奨科目:「定性的データ分析」

テキストマイニング

3年次秋

テキストから情報・知識を発掘する論理と方法を学ぶ。例えば、テキストの前処理(洗浄、形態素解析、構文解析)、テキストからデータの抽出、テキストの特徴分析、テキストの分類など統計的機械学習法による情報・知識の抽出と発見に関する基礎知識や主な方法と応用。

事前履修科目:「機械学習」

履修推奨科目:「翻訳解析」、「コーパス言語学」

データハンドリング

3年次秋

多様な入力形式に対応しファイル管理能力が極めて高い汎用統計パッケージSASを用いて、データハンドリング、データ集計の実習を行う。様々な外部データの読み込み、データクリーニング、データセットの加工、集計、外部ファイルへの出力など。

履修推奨科目:「定量的データ分析」「定性的データ分析」「データベースシステム」

基礎数理科目

数学入門

1年次春

高校数学の復習から始めて大学数学の基礎を学ぶ。数、数列とその和、関数、関数のグラフ、多項式とその性質、方程式、3角関数、指数関数、対数関数、これらの関数の基本的な性質とその微分積分、関数の近似。

論理と数理

1年次春

一階述語論理の理解をとおして論理的な推論の方法を学ぶ。また、基礎的な集合論を題材に、論証の方法を学ぶ。一階述語言語(命題演算、量化子、標準形)、一階述語論理における証明、集合論の基礎(集合、集合に対する演算、関係、関係の性質)、集合論における証明、ブール代数。数学的帰納法。

線形代数

1年次秋

線形代数学の基礎を学ぶ。ベクトル、行列、行列式の定義と基本的な計算、基本的性質、線形独立性、基本変形、階数、連立1次方程式、正則行列、逆行列、固有値と固有ベクトル。

履修推奨科目:「数学入門」

離散数学

1年次秋

離散数学の道具を使って世界を把握する方法を学ぶ。同値関係と集合の分割、集合としての関数(関数の要件、関数の分類)、順序集合(全順序と半順序、同型写像)、グラフ理論の基礎概念(有向グラフ、無向グラフ、連結グラフ、オイラーグラフ、ハミルトングラフ、根つき木、順序木、二分木)。

履修推奨科目:「論理と数理」

微分積分

1年次秋

微分積分学の基礎を学ぶ。微分積分の定義と基本的な計算、基本的性質、関数、微分と偏微分、微分の諸公式、極値問題、近似式、積分と重積分、積分の諸公式。

履修推奨科目:「数学入門」、「線形代数」

確率・統計

2年次春

統計的データ処理の基礎を数理的に学び、確率と統計の基礎概念について学ぶ。1変量データの要約、2変量データの要約、事象と完全加法族、確率と確率空間、条件付き確率と事象の独立、確率変数、確率分布、分布関数、確率密度関数、積率、積率母関数、主な連続型確率分布と離散型確率分布。

事前履修科目:「線形代数」、「データサイエンス基礎」

履修推奨科目:「離散数学」、「微分積分」

微分方程式

2年次春

文化現象を記述する方程式として、各種の常微分方程式の解法を学ぶ。現象と微分方程式、1階微分方程式(一般解・初期条件、変数分離形・同次形、線形微分方程式)、2階線形微分方程式(重ね合わせの原理、定数変化法、特殊解)、微分方程式系(非自律系・自律系、線形・非線形)。

事前履修科目:「線形代数」、「微分積分」

履修推奨科目:「確率・統計」

数理統計

2年次秋

推測統計の基礎的概念を学ぶとともに、推定法、検定法の理論について学ぶ。母集団、標本、統計量、大数の法則、中心極限定理、十分統計量、標本分布、推定量の性質、フィッシャー情報量、推定法、区間推定、正規母集団の母数の区間推定、比率、比率の差の区間推定検定の性質、尤度比検定、適合度検定、独立性の検定、正規母集団の母数の検定、比率、比率の差の検定。

事前履修科目:「確率・統計」

現象と数理

2年次秋

現象を記述する方程式として、各種の微分方程式について学ぶ。現象と微分方程式、1階線形常微分方程式、2階線形常微分方程式、線形偏微分方程式(重ね合わせの原理、特殊解、型分類)、変数分離法、フーリエ級数。

履修条件科目:「微分方程式」

履修推奨科目:「微分積分」

最適化法

2年次秋

与えられたシステムとデータに対して最も適切な判断を行うための方法論について、微分積分学、線形代数、幾何学などの数理的手法を用いた理論的背景と、応用計算機科学にもとづく実践的手法をそれぞれ学ぶ。数理最適化、線形計画法、半正定値最適化、凸最適化、非線形最適化、ネットワーク最適化、組合せ最適化、単体法、内点法。

事前履修科目:「線形代数」、「微分積分」

多変量解析

3年次春

線形代数、微分積分および数理統計の知識を前提とし、種々の多変量解析の方法について、数理的に教授する。記述的多変量解析法を中心としながら、多変量推測統計についても触れる。多変量データ行列、平均ベクトル、共分散ベクトル、分散共分散行列、相関行列、線形モデル、一般化線形モデル、構造方程式モデリング。

事前履修科目:「線形代数」、「微分積分」、「確率・統計」、「数理統計」

数値解析

3年次春

コンピュータを使った各種の方程式を解くための数値計算法について学ぶ。例えば、方程式の数値解法(2分法、ニュートン法)、連立1次方程式(ガウスの消去法)、曲線の補間法(ラグランジュ補間、スプライン補間)、数値積分、疑似乱数の生成法、常微分方程式の数値計算法(オイラー法、ルンゲ・クッタ法)、偏微分方程式の数値計算法(差分法)など。

事前履修科目:「微分方程式」

履修推奨科目:「現象と数理」

数理モデル

3年次春

人間と社会が織りなす文化生態系の諸現象を説明する数理モデルの構築と解析、検証の方法を学ぶ。生物社会の競争と共生の数理モデル、集団遺伝学と生物の進化の数理モデル、ゲーム理論と文化の伝播、文化生態系の数理モデル。

事前履修科目:「微分積分」、「微分方程式」

履修推奨科目:「確率・統計」、「現象と数理」、「数値計算」

時系列解析

3年次秋

時間とともにランダムに変動する現象のデータ(時系列データ)の解析法を学ぶ。時系列データ、スペクトル、ピリオドグラム、自己回帰モデル、自己回帰移動平均モデル、状態空間モデル。

事前履修科目:「数理統計」、「多変量解析」

決定理論

3年次秋

ものやことの決め方や選択を支援する各種の数理的手法について学習する。不確実性と決定、ベイズ意思決定、ミニマックス決定、ゲームの理論、効用関数、投票とパラドックス、個人的選択と社会的選択。

履修推奨科目:「数理統計」、「多変量解析」

情報・コンピュータ科目

情報倫理

1年次春

高度情報化社会における計算機使用者のモラルや職業倫理、そしてそれらとメディアに関わる問題について学ぶ。例えば、情報倫理学、情報セキュリティ(物理的セキュリティ、データセキュリティ、システムセキュリティ、管理運用セキュリティ)、個人情報・プライバシ侵害、情報操作(情報のねつ造、情報の改ざん、情報の破壊)、知的所有権、著作権、コンピュータ犯罪(ハッカー行為とウイルス)など。

プログラミング入門

1年次春

基礎的な教養として、また就職の際のスキルとして年々重要度が高まっているプログラミングを行う上で必要最低限の事項を理解する。例えば、変数、演算子、繰り返し、分岐、配列など。

履修推奨科目:「論理と数理」

コンピュータの仕組み

1年次秋

コンピュータを構成する各要素の動作原理と役割、相互関係を学ぶ。例えば、コンピュータの基礎(数値表現、データ表現)、コンピュータの五大装置と相互関係、外部機器とのインタフェース、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)、応用ソフトウェアなど。

履修推奨科目:「論理と数理」

プログラミング基礎

1年次秋

多くのプログラミング言語で活用されているオブジェクト指向プログラミングの考え方の基礎を理解する。例えば、メソッド、クラス、インスタンス、再帰など。

事前履修科目:「プログラミング入門」

プログラミング応用

2年次春

実用的なプログラムを作成する能力を実際にアプリケーションを作成していく過程を通じて理解する。例えば、Webフロントエンド技術(HTML、CSS、JavaScript、SVG)、バックエンド技術(サーバクライアントモデル、TCP/IP、HTTP)など。

履修条件科目:「プログラミング基礎」

事前履修科目:「インターネット技術」

情報理論

2年次秋

情報の定量化や符号化に関する理論を通じて様々な視点から考察し、情報という概念がどのように表現され扱われているのかを学ぶ。例えば、自己情報量、相互情報量、エントロピー、シャノン符号、ハフマン符号、2進法、論理回路、論理関数。

履修推奨科目:「論理と数理」、「数学入門」

データベースシステム

2年次秋

データベースの基本概念、データベース言語SQLおよびデータベース管理システムの仕組みについて学び、その演習を行う。例えば、データモデル、関係代数、データベースの正規化、SQL、データベース管理システム(障害回復、トランザクションなど)など。

履修推奨科目:「論理と数理」、「離散数学」

情報セキュリティ

2年次秋

教養としての情報セキュリティから様々な脅威に対する最新セキュリティ技術までを学ぶ。例えば、プライバシや情報開示・情報操作、個人情報保護、情報セキュリティと法、セキュリティ・マネジメント、暗号技術など。

履修推奨科目:「情報倫理」、「コンピュータの仕組み」

インターネット技術

3年次春

インターネットとそのサービスを構成する技術と仕組み、運用方法について学ぶ。コンピュータネットワークの基本的な考え方、デジタルネットワーク、TCP/IP、およびその上で実現されているサービス(DNS、SMTP、HTTPなど)、ネットワーク運用技術など。

履修推奨科目:「情報倫理」

情報アクセス技術

3年次春

情報アクセスの基本となる情報検索の概念とその実現手法について学ぶ。例えば、情報アクセスの基礎(システムの構成要素、索引付け、検索質問、検索モデル)、検索システムの評価、自然言語処理技術の利用、インタラクションなど。

アルゴリズムとデータ構造

3年次春

効率のよいプログラムを作成するために、データの操作手順であるアルゴリズムと、データを計算機上で表現するためのデータ構造について学ぶ。計算量の概念、アルゴリズム(ソート、サーチなど)、データ構造(リスト、ヒープ、ハッシュ、ツリー、グラフ)など。

履修推奨科目:「プログラミング基礎」、「離散数学」、「線形代数学」

ヒューマンコンピュータインタラクション

3年次秋

人間がコンピュータと行うインターラクションの基本特性、ならびに生産性を向上するインターフェース構築のための設計ガイドラインとその評価法について学ぶ。例えば、ヒューマンコンピュータインタフェースの基礎、人間の感覚・知覚、人間の生理特性、人間の認知と理解、人間特性を考慮したインタフェースの設計、対話型システムのデザイン、入力インタフェース、ビジュアルインタフェース、情報視覚化、人とコンピュータのコミュニケーション、空間型インタフェース、協同作業支援のためのマルチユーザインタフェース、インタフェースの評価など。

履修推奨科目:「コンピュータの仕組み」、「情報アクセス技術」

翻訳解析

3年次秋

コンピュータを用いた自然言語理解における意味解析、文脈解析技術、およびこれらを総合した翻訳技術について学ぶ。例えば、自然言語処理技術(形態素解析、構文解析、辞書、コーパスなど)、機械翻訳とその応用、多言語処理など。

履修推奨科目:「言語研究の方法1」

C群(体験型教養科目群)

体験型教養科目

1年次春~4年次秋

文化情報学に関係した話題について最先端の知見をふまえた講義を行う。例えば、科学技術と社会・文化など。