FACULTY MEMBERS
大規模複雑データ分析に対する社会の要請は高まる一方。理論と実践の積み重ねで、データ分析のスキルを自分のものにしましょう。
FACULTY MEMBERS
統計科学研究室

宿久 洋

博士後期課程教授

PROFILE

1967年福岡県生まれ、九州大学大学院総合理工学研究科修士課程修了後、鹿児島大学理学部に赴任、助手、助教授を務める。2008年より現職。大学時代は抽象数学について研究していたが、実学に近い点に惹かれて統計学の道へ。現在はデータ解析の方法論の研究を行い、多変量データ解析、計算機統計学を専門とする。共著に『関連性データの解析法-多次元尺度構成法とクラスター分析法』(共立出版)などがある。

膨大なデータの海から新事実を導く

世の中にあふれる情報の解析手法を開発

情報化社会の発展によって文字、音声、画像、動画などが世の中にあふれ、膨大なデータが得られるようになりました。皆さんも「ビッグデータ」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? こうした大規模かつ複雑な情報を目的に応じて解析できれば、暮らしやビジネスのさまざまな場面で役立てることができるはずです。
私の研究室で取り組んでいるのは、そうした大規模データの解析手法に関する理論的研究です。既存の手法が適用できない状況下でも解析できる方法論を提案できれば、新たな知見が得られる可能性が広がります。統計科学研究室では、「多変量データ解析」をはじめとするさまざまなデータ解析の方法を研究・開発しています。

学んだ理論を駆使し、実際のデータを解析

そうした理論的な研究に加えて、実際のデータ解析も実施しています。コンペティションへの参加や企業との共同研究などを通して得られたリアルなデータをもとに、学んだ理論を駆使し、いかに新事実を導くことができるかに挑みます。
扱う実データは多種多様であり、ライフログ、POS、アクセスログなどの「マーケティングデータ」、株価や有価証券、財務指標などの「経済データ」、各種スポーツの計測などの「スポーツデータ」、携帯電話や移動体からの「位置情報データ」、生体から測定された「バイオメトリックデータ」や「ゲノム・タンパク質・糖鎖データ」などがあげられます。

データサイエンスに対するニーズの高まり

ゼミ生は、IT、マーケティングやリサーチ系の企業に就職するケースが多いですね。大学院でさらに研究を深め、シンクタンクなどの専門職に就職する学生もいます。最近では、各種事業会社でもデータサイエンティストを募集しており、あらゆる企業が就職先になります。金融、流通、製造、自治体などの各分野で、データサイエンスに対する要請は高まる一方です。高校数学にデータ分析が加わったことからも、注目度の高さが伺えます。今後、大規模複雑データの解析方法はますます重要視されるでしょう。あなたも分析能力を鍛えて、データ解析のプロフェッショナルを目指しませんか?