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教員紹介

人文情報学研究室
河瀬 彰宏助教

河瀬 彰宏 助教

プロフィール

2011年、東京工業大学社会理工学研究科価値システム専攻博士後期課程修了。統計科学を用いた日本民俗音楽のメロディー分析に取り組む。その後、歌詞の規則性にも着目し、2011年より5年間、古文の分析を行う国立国語研究所で研究員を務める。並行して2014年からは京都大学地域研究統合情報センターで世界各国の生活様式を地域ごとに研究。2016年より現職。メロディー、歌詞、地域性の三つの切り口から音楽の実態に迫る。

日本民謡の変遷を多様な学問分野から追究

現代の流行曲にも息づく民謡のメロディー

街中で耳にする乃木坂46や松任谷由実などの流行曲。初めて聞くのに、懐かしさや心地良さを感じるメロディーには、昔から変わらない日本民謡の要素が用いられていることがあります。私が研究しているのはこの日本民謡の分析です。中学時代、ある日たまたま手にした民俗音楽の理論書に衝撃を受けました。自分が好きなロックやクラシックの心地良いメロディーには民俗音楽に通じる法則性がある。しかもそれを科学的なモデルで表せるかもしれない。こうした可能性が私の好奇心をくすぐりました。

音楽を読み解くカギは一つではない

音楽の実態に迫るためには、メロディー、歌詞、地域性という三つの側面から分析し、総合的に読み解く必要があると、先の理論書で論じられていました。したがって、これまで私は音楽学だけでなく、統計学、心理学、言語学、人類学、宗教学、民俗学、政治学など分野横断的に分析と考察を重ねてきました。

現在の研究では、九州地方と中国地方の民謡の伝わり方を調査しています。NHKが約40年にわたり収集した日本各地の民謡の楽譜をデータベース化し、分析したところ、音楽のパターンが陸路ではなく海路を通って移動していた可能性が見えてきました。山の多い地方は河が物流の中心だったため、特に顕著です。

民謡には口頭伝承の長い歴史があります。心地良いから、親が歌っていたから、など歌っている本人は明確な理由なく口ずさんでいる場合が多いでしょう。その積み重ねで音楽文化ができているのです。形のないものであるにもかかわらず、なぜ長きにわたり伝承されてきたのか?今後追究していきたいテーマです。最終的には音楽に限らず文化現象(私たちが共有する行動様式や生活様式)の背後に隠された性質、影響関係を見出し、後世に伝える技術を開発したいと考えています。

学問においては何を扱うかではなく、どのような論理と方法論を用いるかが重要だと私は考えています。音楽はもちろん、物語や思想など研究対象は問いません。数字に苦手意識のある文系学生にも数学を用いて世界を見つめる楽しさを伝えていきたいと思っています。

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