FACULTY MEMBERS
子どもでもできるゲームやパズルなのに、いざプログラミングで扱おうとすると、天才と言われる人でも難しい。入口は広いけど奥深い、そんな世界が広がっていたんです。
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計算情報学研究室

深川 大路

学部准教授

PROFILE

兵庫県姫路市生まれ。京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻博士後期課程修了。国立情報学研究所特任研究員を経て現職。大学の講義で知った計算機科学に興味を持ち、以来さまざまな離散最適化問題に対するアルゴリズムの開発・解析や、確率モデルを使ったデータ分類、類似度計算に取り組む。その一方で、問題の難しさや計算不可能な問題が持つ性質などに迫る研究も続けている。ゲームやパズルも研究対象だが、実際にプレーするのは苦手な方。

複雑な問題を解き明かす、アルゴリズムを開発

難解な問題を、いかに速く、美しく解くか

何万桁もの割り算を解くにはどうすれば良いでしょうか?将棋の必勝法は、果たしてあるのでしょうか?効率の良い配送計画や人員配置はどのように決めるべきでしょうか?
私の研究室では、このような複雑に見える問題を数学とコンピュータを用いて高速に解く方法を探っています。例えば、「巡回セールスマンの問題」という有名な例があります。あるセールスマンが北米の全ての州を訪れるとして、どんな順番で回れば効率良く回れるか。この問題を解く手法(=アルゴリズム)を開発してプログラムを組めばコンピュータで答えを出すことができますが、解き方にも多種多様な方法が存在します。こうした一つの問題をとことん追究していく楽しみ、苦しさ、そして喜びを学生の皆さんと共有したいと考えています。

計算機と人間にとっての“難しさ”

私の専門は「離散数学」と呼ばれる分野で、分かりやすい例がパズルやゲーム。大学の時に初めて自身でプログラミングしたのはオセロの必勝法ですし、かのビルゲイツが最初に書いたプログラムも○×ゲームだったと言われています。取り上げるテーマが身近で親しみやすいにもかかわらず、天才でも解けないと言われるような奥深さがある点が面白いところです。
また、難解な問題を解く方法論を探る傍ら、「難しい問題とは何か」「解ける問題と解けない問題の違いは何か」という、“難しさ”それ自身の研究も行い、計算機の性能や人間の知性に迫っています。

コンピュータの持つ可能性に挑め!

計算機は我々の生活を大きく変えました。すでにコンピュータやインターネットなしでは生活が成り立たない人も多いでしょう。インフラに、娯楽に、教育に、非常に大きな影響力を持つ計算機ですが、まだまだ分からないことだらけです。小さい頃からネット文化に親しんできた皆さんの若く大胆な発想でチャレンジしてみてください。