FACULTY MEMBERS
日常生活の中で、当たり前に耳に入ってくる「音」を理解する。社会課題の解決からエンターテイメントの発展まで幅広く支える「音」の技術を追究していきたい。
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マルチメディアコンピューティング研究室

井本 桂右

学部准教授

PROFILE

総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻修了。博士(情報学)。日本電信電話株式会社研究員、立命館大学情報理工学部助教、同志社大学理工学部准教授を経て2024年より現職。信号処理や機械学習を用いた音響処理を中心に、メディア処理や合成技術に取り組んでいる。

社会を豊かにする音の技術

あらゆる音を理解し、自由自在に生成する技術を開発

音声、音楽、環境音などあらゆる音を理解する人工聴覚機器や、自在に音を創造する音生成AIの実現が私の研究テーマです。また、画像や文字、周囲の環境など、音以外のメディア情報を活用することでより正確に音を認識・生成する技術も追求しています。例えば、オノマトペや模倣音声から自分が思い描く効果音を生成する技術の開発。これにより、漫画のアニメ化を簡単に行うことができ、映画や動画コンテンツに自動で環境音や効果音を付加できる技術の実現が可能になります。このように、音の研究を通して、アニメや映画、ゲームなどのエンターテイメントの幅を拡げる手助けをしていきたいです。

「音」を利用し社会課題に向き合う

現在、社会では「少子高齢化」が取り組むべき重要な社会課題となり、高齢者の生活の質の向上や子育てのしやすい環境づくりが求められています。日常にありふれた「音」を分析・利用できる技術を発展させることができれば、こういった課題解決に貢献することも可能です。例えば、乳幼児や高齢者の生活音に潜む異常を検知し、自動的に通知する見守り機器の開発や、文字の音声化や聴覚補助機器などの高齢者を支援する技術の向上等が挙げられます。

興味を追究することを楽しむ

本研究室で扱うテーマの魅力は、少子高齢化のような社会的課題からエンターテインメントの領域まで、多様な領域を対象にできることです。学生には、幅広い研究対象の中から、興味がある分野を自ら発見し、追究することで、研究のおもしろさを知ってもらいたいです。
また、データを読み解く時は、数値化・分析するだけでなく、音が発生する背景や条件、要因にも着目し、緻密に洞察することを重要視しています。そうすることで、結果をどのような形で人々の生活や新しい技術へと繋げるのか、という深いところまで考えを発展させることができるようになります。