必修科目

文化情報学1

1年次春

講義および学生同士による議論を通じて「文化情報学とは何か」について考え、文化情報学における「文化」と「情報」が持つ意味、データサイエンスを用いて文化情報学的な研究をおこなうことの意義を理解する。

文化情報学2

1年次秋

リサーチ・プロジェクトにおける研究やキャリアパスに関する発表を聴講し、学生同士による議論をふまえて質疑をおこない、文化情報学に関する理解を深めるとともに、学部における学びが2年次以降にどのように展開していくかを考える。

文化情報学3

2年次春

専門分野が異なる複数の教員がそれぞれの文化情報学に関する最先端の研究を紹介し、分野の融合の可能性について学生を交えた議論をおこなう。文化情報学に関する理解をさらに深め、3年次以降の研究活動につなげていく。

文化情報学4

2年次秋

専門分野が異なる複数の教員がそれぞれの文化情報学に関する最先端の研究を紹介し、分野の融合の可能性について学生を交えた議論をおこなう。文化情報学に関する理解をさらに深め、3年次以降の研究活動につなげていく。

ジョイント・リサーチ

3年次春

複数の異分野の教員で担当する探究型演習科目。各教員の専門分野が融合する領域において、これまでに学んだ文化科学の知識やデータ科学のスキルを活用し、グループで探究型演習を行いながら、新たな問題を発見・解決する能力を身につける。

リサーチ・セミナー

3年次秋

研究室に所属し、個々の学生の関心に基づいて先行研究の調査や課題の整理、予備実験の実施等を行う。実践的に研究の方法論を学び、リサーチ・プロジェクトへの布石とする。

リサーチ・プロジェクトⅠ

4年次春

文化情報学部での学びの集大成として、教員から指導を受けつつ、議論を交わしながら、学生主体の研究活動を実践する。研究活動を通じて、学生は、確かなデータ源・情報源を基にした学問的探究の態度と能力を習得する。

リサーチ・プロジェクトⅡ

4年次秋

文化情報学部での学びの集大成として、教員から指導を受けつつ、議論を交わしながら、学生主体の研究活動を実践する。研究活動を通じて、学生は、確かなデータ源・情報源を基にした学問的探究の態度と能力を習得する。

文化情報学専門科目

A群(文化科学系科目群)

現代文化概論

1年次春

現代文化のなかでも映画とアニメーションを中心に、科学技術および国際社会との影響関係を検討する。技術の変遷および社会背景(戦争、ジェンダーギャップ等)が、映像表現にいかに関わるか確認しつつ、生産・流通・消費のネットワークを視野に入れて、映像文化を複合的に分析する訓練を積む。

美術史学

1年次春

美術作品は、芸術文化の重要な根幹をなすという観点から、講義を行う。例えば、日本の各時代の代表的な美術作品をとりあげて、その歴史的変遷を概観する。さらには、アジアやヨーロッパなど、他地域の文化との相互関連性などもふまえた上で、芸術文化の発展について考える。

ことばと文化

1年次春

人間の諸活動全般を「文化」と捉え、文化とことばの接点を探ることを目指して、講義を行う。文化情報学部で扱うことになるさまざまな文化の諸相のうち、ことばを切り口にした事象の理論的背景と日常的に観察される具体例を解説する。例えば、文化価値志向・文化相対論・男ことばと女ことばなどのテーマを取り上げる。

世界の諸言語

1年次春

世界の諸言語、およびその「多様性」と「普遍性」について、主に講義形式で学ぶ。あらゆる地域・共同体で話されている言語を、様々な観点(系統、歴史、音声、単語・文の構造など)から観察・分析し、言語間に存在する差異や類似性の理由について考察する。

文化論入門

1年次春

文化とは何か、また文化はどのように論じられて来たかを概説する。前半では文化を構成する主要素である情報がどのように共有されてきたかを
1)オリエンタリズムのような集団的なバイアス
2)世界宗教の本質
3)都市と都市化
を中心に講じる。後半では前半の応用として多文化社会と高度化情報社会を論じる。

文献講読

1年次秋

『源氏物語』や『百人一首』などの日本の古典文学作品について、変体仮名やくずし字で記された写本・版本をテキストとして読み解き、その文化的背景を講義する。それらのテキストの多くは、作品が成立してから現在に至るまで書写を重ね、諸本間で表記や語句の違いが生じていることも少なくない。本講義では、本文批判(Textkritik)の観点から原典復元を目指すのみならず、本文異同により作品にもたらされた表現世界の変化を具体的に説く。

文化・社会人類学

1年次秋

近代以降の人文社会科学は、自らの文化や社会の実態や歴史を科学的な視点で理解し説明しようとしてきた。人類学と社会学が取り扱うヒトに関わる主題に焦点を当てながら、人類の生態・社会的特性と文化的様相の具現を検討する。事例を挙げながら解説し理解を深め、メルロ=ポンティの言う「他人によって自己を吟味し自己によって他人を吟味することによって手に入れる側面的普遍」が醸成された文化“尺度”を理解する。

ことばの科学

1年次秋

ことばを科学的に分析するための前提となる基礎知識を解説し、言語研究のおもしろさを理解してもらう。ことばとは何か、ことばを科学するとはどういうことか、ことばを科学する意義とは何かを踏まえた上で、音・語・句・文の形式的性質を説明し、ことばを可能な記号列を生成するシステムとしてどのように分析できるのか議論する。ことばの普遍性を明らかにし、ことばから「人間とは何か」という問題にアプローチする。

認知科学入門

1年次秋

認知科学について、文化的な行動の説明および理解を目的に講義を行う。例えば、表象主義、知覚と行動、個人差などを取り上げる。

社会調査入門

1年次秋

社会調査の意義と諸種類に関する基礎的な知識を講義する。具体的には、社会調査の歴史・目的、調査方法、調査倫理、調査の種類と実例、量的調査と質的調査、統計調査と事例研究、国勢調査などの公的統計、学術調査、世論調査、マーケーティング・リサーチなどのほか、調査票調査やフィールドワークなど、資料やデータの収集から分析までの諸過程に関する基本的事項を取り上げる。

コーパス言語学

2年次春

文章や発話を大規模に集めてデータベース化した言語資料であるコーパスを用いた言語研究の方法論について講義と演習を行う。日英語の各種コーパスを用いた語句検索・分析の実践を通して、従来議論の的となっていた言語現象について検証したり、有用な言語事実や言語使用のパターンを探し出したりするにはどのような工夫が必要かを学ぶ。

言語研究の方法1

2年次春

言語分析に関する一般的な研究方法を取り上げ、入門的言語解析手法を修得するための講義を行う。例えば、言語における音・語・文・意味などの形式的言語現象を解析し、言語解析に関する基礎を学ぶ。最終的には、それぞれの言語に現れる特有の現象について、多様な言語現象を柔軟に捉える視点を養う。

言語類型論

2年次春

この講義は、個別言語を比較・対照し、言語間に共通する特徴を探る。日本語、英語、中国語およびタイ語などを比べて、語形成や句形成さらに意味構成における諸問題を分析することを通して、自然言語の共通原理や規則を理解してもらうことを目標とする。この授業を通して、通言語学的一般化を図ることができるようになる。

計量社会学

2年次春

既存の社会学諸分野にとらわれず、社会システム・諸社会現象への理解や行動科学に必要な統計的・数理的な基礎知識を中心に、講義を行う。例えば、広く計量社会科学研究の設計、既存資料の活用、データの収集・分析、モデリングなどに関する方法論とともに、因果推論、ゲーム理論、選択理論、選挙投票、社会ネットワークなどの諸社会科学領域に必要な計量的な方法について議論する。

図像学

2年次秋

仏教はアジアにおいて多数の美術作品を生み出してきたが、それらには共通した決まりごと、つまり図像的特徴がある。仏教美術に表れたさまざまな図像的特徴について、比較研究という観点から、講義を行う。例えば、アジア諸国に伝わる仏像や、密教美術の曼荼羅に描かれた諸尊などをとりあげ、図像の伝播と継承の検証を通じて、仏教文化のひろまりについて考察する。

統辞論

2年次秋

自然言語の記号列を生成するモデルの1つである生成文法理論の基礎を学び、言語表現の階層構造が生成され、意味解釈がおこなわれるメカニズムを概観する。理論モデルがどのような言語データや理論的問題に直面することによって修正・破棄されるのか、その歴史的変遷を辿り、理論モデルの妥当性を考察する。

比較文化論

2年次秋

人間の動的な文化活動を分析する方法として、文化活動を空間的時間的な比較軸において考察する文化理論を学ぶ。空間的とは活字文化、映像、音楽、服飾、ファッションなどの表象の異文化間での影響関係を指す。時間的とは近代から現代への移行期に文化がどのように人間のアイデンティティーを包摂するようになったかである。個別事例を検討しながら講義する。

身体メディア論

2年次秋

原初的な感性メディアである「身体」を媒介として伝達される情報の発信・受信メカニズムや、情報媒体としての「身体」の果たす役割について、従来の学問分野を超えて様々なアプローチによって概観する。例えば、コミュニケーションにおける身体性、マルチモーダルインタラクション、ジェスチャーなどについて取り上げる。

 

B群(データ科学系科目群)

統計学入門

1年次春

データ科学の根幹をなす統計学について、基盤知識の習得を目的として講義を行う。記述統計の主要手法である要約と視覚化について実例の分析を通して身に付けさせる。合わせて、統計学の数理的な基礎となる確率と確率分布についても扱う。例えば、1変数データや2変数データの要約と視覚化、時系列データの記述と分析、様々な確率、確率の公理、ベイズの定理、確率変数、統計量などを取り上げる。

離散数学入門

1年次春

世界を数学的に把握する能力の涵養を目的に、集合および集合によって定義できる基礎的な数学的概念について講義と演習を行う。例えば、集合、冪集合、直積、関係、関数、順序集合などを取り上げる。

数理モデル入門

1年次春

人間の行動や社会を取り扱う文化科学の視点から高校までの数学を捉えなおすような数理モデルの入門的な講義を行う。例えば、感染症の拡がりを表す漸化式の数理モデルや、文化進化を表す確率的な数理モデルを取り上げる。これらの数理モデルを構築し分析することで、大学で学ぶ数理科学が人間にまつわる諸現象に深い理解を与え、現象の予測や制御を可能にすることについて解説する。

プログラミング入門

1年次春

基礎的な教養として、また就職の際のスキルとして年々重要度が高まっているプログラミングを行う上で必要最低限の事項を理解する。例えば、変数、演算子、繰り返し、分岐、配列など。

統計学

1年次秋

統計学入門の知識を前提に、実課題への適用を意識した統計学の知識の習得を目的として講義を行う。推測統計の基本概念を理解し、母集団と標本の設定の下で、点推定、区間推定、仮説検定について扱い、統計モデルとして単回帰モデル、分散分析モデルについても扱う。例えば、大数の法則、中心極限定理、母平均、母分散、母比率に関する検定、適合度・独立性の検定、回帰係数の検定、1元配置分散分析、2元配置分散分析などを取り上げる。

統計学演習

1年次秋

統計学との同時履修の形で実施する。推測統計の手法を実データに適用することで手法の本質を理解することを目的として講義と演習を行う。表計算ソフトのセル計算や関数計算を駆使してシミュレーションやデータ解析を行う。例えば、乱数発生、モンテカルロシミュレーション 、確率分布の確率計算、大数の弱法則・中心極限定理のシミュレーション、各種検定、分散分析を取り上げる。

線形代数

1年次秋

線形代数について、統計学・機械学習・数理モデル等の基礎固めとしての立場から入門的な講義を行う。例えば、ベクトル・行列の計算、逆行列、行列式、ベクトル空間、行列の対角化、固有値・固有ベクトルなどを取り上げる。線形代数で扱う行列の計算は統計学・機械学習・数理モデル等の理解において必須であり、本講義を通してそれらの数理科目へと接続する。

コンピュータ概論

1年次秋

コンピュータの基本構成と動作原理について講義を行う。具体的には、コンピュータ上での数や文字など様々なデータの表現方法、データを計算するための論理回路、コンピュータを構成するハードウェア、ハードウェアを制御するOSなどの基礎を学習する。コンピュータの基本的な動作について理解を深めることで、コンピュータをより効果的に扱うことが可能となる。

プログラミング基礎

1年次秋

プログラミング言語で活用されているオブジェクト指向プログラミングの考え方の基礎を学ぶ。例えば、クラス、インスタンス、メソッド、プロパティ、再帰など。

多変量解析

2年次春

統計学、線形代数、微分積分の知識を前提とし、種々の多変量解析の方法の習得を目的として講義を行う。記述的多変量解析法を中心としながら、推測統計についても触れる。例えば、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、主成分分析、因子分析、クラスター分析、分割表のモデリング、対応分析などを取り上げる。

多変量解析演習

2年次春

多変量解析と同時履修の形で実施する。データ解析専用のツールを用いて、多変量解析で学んだ知識と手法についての講義と演習を行う。実データの分析・結果の解釈を通して、手法の適切な利用について学び、与えられた課題に対して、
1)適切なデータを収集
2)適切な手法を用いて解析
3)適切な結果の解釈
という一連のプロセスを経験することにより、多変量解析法の運用能力を培う。

微分積分

2年次春

微分と積分の考え方について、文化科学と数理科学の協働の観点から、講義を行う。例えば、微分と積分に共通する極限を取り上げる。無限大や無限小のような曖昧な対象を論理的に取り扱うことを通じて、捉えどころのない文化現象を精確に考えられる基礎力を与える。また、多変数関数の微分と積分を取り上げる。これにより時間的な移り変わりや空間的な広がりを伴う多種多様な要因からなる文化現象の数理的な記述について議論する。

プログラミング応用

2年次春

ウェブ開発の基本的な技術について、講義と演習を行う。HTML、CSS、JavaScriptの3つの主要な技術を中心に焦点を当てる。HTMLはウェブページの構造を定義し、CSSはその外観とスタイルを制御し、JavaScriptは動的な機能を提供する。学生は演習を通じてユーザーフレンドリーで対話的なウェブサイトを設計し、構築する方法を学ぶ。

機械学習基礎

2年次秋

計算機でものごとを学習させることの意味とそれによってどのような問題が解決できるのかについて学ぶ。例えば、教師なし学習(主成分分析、kmeans、EMアルゴリズム、GAN)、教師あり学習(線形回帰、決定木、ナイーブベイズ、SVM、k近傍法、ランダムフォレスト、アンサンブル学習、ニューラルネットワーク)など。

離散数学

2年次秋

離散数学の道具を使って世界を把握する方法を学ぶ。例えば、同値関係と集合の分割、集合としての関数(関数の要件、関数の分類)、順序集合(全順序と半順序、同型写像)、グラフ理論の基礎概念(有向グラフ、無向グラフ、連結グラフ、オイラーグラフ、ハミルトングラフ、根つき木、順序木、二分木)、形式言語(有限オートマトン、文脈自由文法、正規表現)など。

確率解析

2年次秋

確率論について、統計学・機械学習・数理モデル等の基礎固めとしての立場から入門的な講義を行う。例えば、公理的確率論、確率の性質、様々な確率分布、データ分析における確率、確率過程などを取り上げる。これらを通して、確率の基本的な扱い方からデータサイエンスや数理モデルでの使われ方を解説し、数理科学を学ぶ際の基礎知識を与える。

最適化法

2年次秋

与えられたシステムとデータに対して最も適切な判断を行うための方法論について、微分積分学、線形代数、幾何学などの数理的手法を用いた理論的背景と、応用計算機科学にもとづく実践的手法をそれぞれ学ぶ。例えば、数理最適化、線形計画法、半正定値最適化、凸最適化、非線形最適化、ネットワーク最適化、組合せ最適化、単体法、内点法など。

情報セキュリティ

2年次秋

教養としての情報セキュリティから様々な脅威に対する最新セキュリティ技術までを学ぶ。例えば、プライバシや情報開示・情報操作、個人情報保護、情報セキュリティと法、セキュリティ・マネジメント、暗号技術など。

アルゴリズムとデータ構造

2年次秋

効率のよいプログラムを作成するために、データの操作手順であるアルゴリズムと、データを計算機上で表現するためのデータ構造について学ぶ。計算量の概念、アルゴリズム(ソート、サーチなど)、データ構造(リスト、ヒープ、ハッシュ、ツリー、グラフ)など。

機械学習応用

3年次春

機械学習アルゴリズムの理解に基づき、その知識を実際に活用する方法を講義と演習を通じて学ぶ。例えば、ニューラルネットワーク、深層学習、識別系AI、生成系AIなどを取り上げる。

数理統計

3年次春

統計学、確率解析の知識を前提とし、推測統計の基礎的概念を数理的に定式化する。特に、推定、検定の理論について講義を行う。例えば、母集団、標本、統計量、大数の法則、中心極限定理、十分統計量、標本分布、推定量の性質、フィッシャー情報量、推定法、区間推定、正規母集団の母数の区間推定、比率、比率の差の区間推定検定の性質、尤度比検定、適合度検定、独立性の検定、正規母集団の母数の検定、比率、比率の差の検定などを取り上げる。

数理モデル

3年次春

文化現象を記述する数理モデルについて、大学で学ぶ数理科学の応用という観点から、講義を行う。例えば、代表的な数理モデルである微分方程式では、微分積分による解析解の導出だけでなく、線形代数による線形安定性解析やヌルクラインによる分岐解析を取り上げる。これにより、解析的には解けない系への接近法や、数理科学と計算機科学が相補的な役割を担うことについて議論する。

情報アクセス技術

3年次春

情報アクセスの基本となる情報検索の概念とその実現手法について講義と演習を通じて学ぶ。例えば、情報アクセスの基礎(システムの構成要素、索引づけ、検索質問、検索モデル)、検索システムの評価、自然言語処理技術の利用、インタラクションなど。

ベイズ統計

3年次秋

確かな文化情報を供給するために重要な役割を担うベイズ統計と呼ばれる統計科学の枠組みについて、数理科学と計算機科学の視点から、講義と演習を行う。ベイズ統計が、確率論的に定式化されたモデルの条件付き確率や周辺確率を計算することにより行われること、および実際の確率の計算には、たとえばモンテカルロ法のような、計算機による数値的な方法が有用であることを解説する。

因果推論

3年次秋

統計学、数理統計の知識を前提とし、原因と結果の間の因果関係を把握するための手法として、統計的因果推論の基本原理と主な手法について講義を行う。因果推論は様々な分野で応用されており、医療や政策の効果評価、社会現象や人間行動の因果関係の理解などで重要な役割を果たしている。ここでは具体的な例を挙げながら主な手法について紹介する。例えば、交絡調整、層別解析、マッチング、傾向スコア、操作変数法、回帰不連続デザイン、差分の差分法などを取り上げる。

時系列解析

3年次秋

時間とともにランダムに変動する現象のデータ(時系列データ)の解析法について講義と演習を行う。時間領域の解析手法を中心に扱うが、一変量時系列データについては自己回帰・移動平均モデル、多変量時系列データについてはベクトル自己回帰モデルについて扱う。非定常時系列データの解析手法についても触れる。理論的説明とともに解析例も示し、解析技能習得の助けとしたい。

数値シミュレーション

3年次秋

コンピュータを用いた問題解決法の一つとして数値計算にもとづくシミュレーションを学ぶ。例えば、数値計算(ニュートン法、関数補間、数値積分、微分方程式の数値解法)、モンテカルロ法(重点サンプリング、ギブスサンプリング、メトロポリス・ヘイスティングス法)、強化学習(Q学習)
など。

情報理論

3年次秋

情報理論は、情報の量、保存、伝達、および解読に関する数学的な理論を研究する分野である。文化情報学部学生として知っておくべき、エントロピー、相互情報量、条件付き情報量、エラー訂正と検出、データ圧縮、そして情報の伝送と受信に関連する基本的な原則とアルゴリズムを探究する。理論的な概念を学び、現実の問題を解決するために、これらの概念を理解適用するために講義を行う。

データベースシステム

3年次秋

データベースの基本概念、データベース言語SQLおよびデータベース管理システムの仕組みについて講義し、その演習を行う。例えば、データモデル、関係代数、データベースの正規化、SQL、データベース管理システム(障害回復、トランザクション)など。

インターネット技術

3年次秋

デジタル通信の基礎となる技術を詳細に講義する。受講生は、TCP/IP、DNS、HTTPSなどのプロトコル、ルーティング、そしてデータの暗号化と認証について学ぶ。さらに、クラウドコンピューティング、IoT、5Gなどの最新のインターネット技術についても触れる。受講生は、これらの技術がどのように働き、ネットワークがどのように構築され、インターネットがどのように動作するかを理解する。

C群(先端・融合系科目群)

文化の計量分析入門

1年次春

本講義の目標は、計量分析の基礎的な考え方を理解することである。本講義では、社会学、文学、美学、音楽学、宗教学、心理学、言語学、論理学などの多角的な視点と、統計学と情報学を基にした計量的分析手法を探究する。

身体論5.0

1年次春

あらゆる文化の発生基盤である「身体」について考える。さまざまな分野にわたる「身体」を契機とした諸問題を概観すると共に、人を取り巻く環境が急速に様変わりする社会の中で「身体」の意味がどのように更新されていくかを議論する。

AI・情報倫理

1年次春

Society 5.0における、より善い社会を形成するために必要となる人間の行動規範について学ぶ。例えば、情報倫理学、メディア・リテラシ、プライバシ問題、知的所有権、情報化社会の秩序遵守のための法律、公正な情報提示など。

デジタル・ヒストリー入門

1年次秋

デジタル・ヒストリー(歴史情報学)は、従来の歴史学を大きく変える可能性を秘めた新しい研究分野である。この講義では、デジタル・ヒストリーの基礎として、歴史の方法論と歴史のデジタル化の意義を学び、デジタル時代において「過去」を考える上での基本的な姿勢を身に付けることを目標にする。特に文化・科学に関する西欧と日本双方の歴史学の方法論と代表的な研究を振り返ることで,従来の伝統的な歴史学の基礎を学びつつ、それと接続するデジタル・ヒストリーとの関連性を考える。さらに、デジタル・ヒストリー自体の歴史を確認することで、デジタル・ヒストリーの学問としての位置づけを明確にする。

社会システム論

1年次秋

人間の行動や社会を扱う文化科学について、社会システムやネットワークの観点から講義を行う。例えば、ネットワーク科学・計算論的社会科学・複雑系の分野において数理モデルやビッグデータによって解明されたSNS上での情報拡散・流行現象・感染症の伝播・人の移動・文化進化・科学の科学・生態系などの現象を取り上げる。これらの例を通して人の理解を深め、豊かな社会の構築へ向けた数学やデータサイエンスについて議論する。

文献解析

2年次春

『源氏物語』や『百人一首』などの日本の古典文学作品は、書写の過程で起こる諸本間の本文異同により、複数の系統に分類されることが多い。また、先行する作品との表現の授受関係も複雑である。本授業では、そのような膨大で複雑なテキストデータ相互の関係を短時間で正確に把握するために情報科学の技術を導入し、その利点と問題点を説くとともに、得られた分析結果を通して、各作品について実証的な文学研究の観点から講義する。

デジタル・ヒストリー概説

2年次春

この講義では、デジタル・ヒストリー(歴史情報学)の応用として、現代におけるデジタルの歴史学の特徴と動向を学ぶ。デジタル・プロジェクトの具体例を通して、デジタル・ヒストリーの日本における受容と発展を確認する。特に、歴史学におけるデータの扱いと解析や、歴史の可視化の意義、仕組み、可能性を考える。講義全体を通じて、歴史学としての方法論だけでなく、デジタル・ヒストリーで使用するさまざまな技術も検証することで、歴史学におけるデータの扱いと活用の仕方を学ぶ。それだけでなく、デジタル化を通じて可能となる歴史学の現代における役割、活用について学び、パブリック・ヒストリーの方法論の基礎的知識を得る。

時空間情報科学

2年次春

人類が関わる文化・社会の諸現象は、時代や地域という時空間的性質を持つ。講義では、時空間現象を扱う現象科学の考え方、実際に情報を処理・解析するシステムに関し、具体的な事例研究を通じて、時空間情報システムの構築・運用と現象評価の実践を行う。対象は実際の歴史・地理空間における現象だけでなく、写真や絵画・グラフィックなども時空間情報を伴った対象といえ、歌や物語も同様である。

社会調査法

2年次春

現実の社会問題の理解・説明に必要な社会調査データの収集と分析に関する基礎理論と具体的な応用方法を講義する。具体的には、データに基づいた社会現象の法則発見と真理探究に必要な調査目的の確立、調査企画、標本設計、サンプリングと標本誤差、質問文・調査票の作成、調査の実施方法、調査データの整理、単純集計、データ分析の仕方などの基本を重点的に解説する。

認知情報学

2年次春

人間の知覚・認知システムについて、情報処理という観点から講義を行う。例えば、知覚の特性とメカニズム、感性認知、意思決定などを取り上げる。

計量文化解析

2年次秋

本授業では、文化現象(例えば、音楽、絵画、社会、思想、物語など)を計量的に解析する知見と方法論を学ぶ。講義と演習を通じて、各自が関心を持つ分野の研究に対して、計量分析を適用するための応用力を身につける。実践的な計量分析手法の習得と、複数の学問が互いに関連することを理解することで、現実の問題に対する深い洞察力を養うことが期待される。

映像情報解析論

2年次秋

現代の「動く映像」の出発点である映画とアニメーションにおける、
(1)基本的な映画の規則や概念(ショットの概念、フレーム、モンタージュ等)
(2)計量分析方法
を学び、文理融合的な映像分析の手法を習得する。

言語研究の方法2

2年次秋

この授業では一般言語学の方法論に基づき、個別言語の音・語・文レベルの特徴を対象とし、より妥当性の高い記述方法を探ることを目標とする。特に、日本語における音韻・文法の記述の妥当性を説明し、如何に言語を記述すべきかを徹底的に議論する。この授業を通して、受講者は一般言語学的手法で言語事実が観察できるようになる。

会話情報学

2年次秋

ことばを理解・発することを行動の1つとして捉え、ことばが実際の会話の中でどのように理解され、その後の行動に影響を及ぼしているのかについて、言語学と情報学の観点から、講義と演習を行う。従来行われてきた人間同士の会話に関する研究から最先端の人間と人工知能との会話に関する研究までを俯瞰し、人間はどのように会話しているのか、人工知能等の科学技術をどのように取り入れていくべきかについて議論する。

情報グラフィックス論

2年次秋

情報グラフィックスは、古来より人類が引き継いできた重要な文化である。本授業では、主として数理論理学と認知心理学の観点から、その情報機能と認知機能について講義と演習を行う。例えば、チャートやグラフが情報を表示するメカニズムの特殊性、推論や理解を一定方向に駆動する性質、あるいは、情報グラフィックスに対する空間インデクスの配置とその認知機能、などを取り上げる。

社会調査演習

2年次秋

社会調査入門、社会調査法で学んだ知識に基づいて、社会調査の企画から報告書の作成までの一連の具体的な手順について、遂次講義および演習を行う。例えば、調査の企画、仮説構成、対象者・地域の選定、サンプリング、調査項目の設計、質問文・調査票の作成、調査の実施、実施報告の作成、統計分析ソフトを用いた調査データの入力・整理・集計、可視化、仮説検証分析、報告書の作成などの諸方法を演習する。

先端文化情報学1

3年次春

文化情報学に関係した話題について最先端の知見をふまえた授業を行う。

言語と脳科学

3年次春

言語データの分析からどの程度まで言語に関わる脳内の神経生理学的メカニズムを探ることができるのか議論する。言語を生み出す脳の基本構造はどのようになっているのか、言語は脳内でどのように獲得されるのか、失語症などの言語障害に関連するデータから脳内の言語システムがどれだけわかるのか、脳機能イメージングを用いてどのような言語研究が可能なのかなどについて解説する。

行動データ科学実習

3年次春

文化研究への応用を念頭に、行動データを扱うために必要な知識やスキルについて講義と演習を行う。例えば、実験法、尺度構成、視線計測などを取り上げる。

ヒューマンコンピュータインタラクション

3年次春

人間とコンピュータがどのように相互作用するのか、人間にとって使いやすい機器はどのようなものか、ということについて講義を行う。具体的には、インタフェース設計に不可欠な人間の心理学的・生理学的な特性や、インタフェース設計の事例と人間中心設計の概念、ユニバーサルデザインについて学習する。

先端文化情報学2

3年次秋

文化情報学に関係した話題について最先端の知見をふまえた授業を行う。

文化情報学教養科目

D群(文化科学系教養科目群)

文化情報学トピックス科目、クリエイティブ・ジャパン科目

E群(データ科学系教養科目群)

同志社データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)構成科目

F群(一般教養科目群)

全学共通教養教育科目(クリエイティブ・ジャパン科目、同志社データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)構成科目、外国語教育科目を除く)

その他

G群(外国語教育科目:英語)

H群(外国語教育科目:英語以外)

I群(免許・資格科目、他学部設置科目 等)