カリキュラム
4年間を自分でデザインする文化情報学部の学び
文化情報学部には多種多様な履修モデルがあります。ここではその一部をご紹介します。自分が大学で学びたい内容や、習得したい知識に合わせて履修モデルを選択すると、体系的に学習できる4年間の流れを表示します。各科目名をクリックすると、科目ごとの説明を確認することができます。様々な履修モデルを見て、文化情報学部での4年間の学びのイメージを膨らませてみてください。
情報科学とは、情報の生成や活用、情報システムと人間との相互作用に関する研究であるといわれている。ある問題を解決するために問題自体に着眼し、コンピュータを用いてどのように解決すればよいのかを考えることが重要である。そのために必要な基礎知識を体系的に学ぶ。
効果的なチラシやポスター、人の目を引くパッケージやロゴ、分かりやすい図やチャート、人気が出る漫画や絵本とは、どのようなものだろうか。グラフィック・デザイナーのプロの技を、認知科学と論理学の視点から解明してみよう。
高等学校の科目名に「芸術」があったが、大学の文化情報学部の教育においては演奏行為や創作行為そのものをするわけではない。文化として芸術諸領域を総合的に理解するという、本来年季と素養が必要なことを授業を通じて学び、美術館や音楽会に足を運んで自力で養いつつ、哲学を学び認知のしくみを理解し、科学する力をつけなければならない。情報を集めて整理して分析にかけて解釈し、予測したことと分析結果がどのような説明で繋がるかを深く思索する。通説や常識にとらわれず、様々な分析の手法を駆使しながら、見えないものも読みとる力がつくように、学びを深めてほしい。
西洋にあっては感性は理性と対立する人間の資質で、これはデカルトとパスカルの哲学を峻別するものとして表出している。近代科学を切り開いたデカルトの科学方法論は人文科学を含む諸科学において大きな成功を収め、この陰にパスカル的なパトスに通じる感性は埋もれて来た。一方、東洋とくに日本においては、感性は必ずしも理性に対峙するものとしては捉えられず、豊かな人間性の表象として、重要視されて来た。感性の数理的学としてのファジィ理論はこのような文化を持つ日本に定着し、更に日本発のKANSEI工学が生まれるに至った。「人間と感性」ではこのような意味を持つ人間の感性を数理的に表現する方法を体系的に学ぶ。
ヒトの進化の歴史は情報の利用の歴史でもある。ヒトの世代交代が遺伝情報によって担われているように、人間社会と情報は切り離せない関係にある。情報は個体、少人数の個体集団、多人数の社会集団、隔世的社会集団の継続的関係に本質的に関わる。情報の本質を深く知るために、ヒトの進化の歴史を概観し、人類が作り出した言語と文化・社会を学び、この連関において情報を考察する。
人間がモノをどのようにとらえ、どのように働きかけるかは文化の生成や発展にとって重要である。その一方で、文化はそこに生きる人間の行動に影響を与えている。例えば、道具を使いこなしたり、作品の創造性や美しさを評価したりといった日常生活における行動がどのようなしくみに基づいているのかを認知科学的に学ぶ。
現象の洞察から始め、その現象の解明に必要な情報は何かを考察し、その情報をデータ化し、加工し、分析するという、データに基づいて現象の解明を試みる「データサイエンス」の観点から、文学、美術、考古学、歴史学、伝統芸能、意識などの文化に係わる諸現象を計量的に解明する方法について学ぶ。
データサイエンスと数理科学を理解し、これらを通じて、実際の社会のさまざまな人間の営み(文化)を理解することにより、データサイエンスの実践力をつけることは、これからのあなたの人生を豊かにし、明るい人間社会を築く手段を与えることになります。データサイエンスを体系的に学ぶことにより、実際の社会に潜む不思議を見出し、関連性や法則性などの特徴を発見し、概念化しようとすることにより、課題発見解決能力や概念化能力、情報能力などを身につける。
人間と社会が織りなす様々な文化現象の背後に潜むメカニズムや法則性を数理モデルを用いて理解することを目指し、数理モデルの枠組みやその解析法について学ぶ。
文字、画像、動画、音響などのあらゆる情報(データ)からの知識発見の方法について網羅的に学ぶ。統計学を中心としたデータサイエンスの各手法の理論および応用について深く極め、データ分析の専門家を目指す。
ことばには様々な側面があり、ことばが話されている文化や社会によって少なからず影響を受けています。英語や日本語に関するデータを大量に集め、それぞれの特徴が文化や社会現象とどのような関係があるのか突き詰めて調べていくと、そこには新しい発見があるはずです。文化クラスターでは言語データ科学科目を中心に、文化や社会に関する科目、データサイエンス科目では、データ分析科目を中心に履修するとよいでしょう。
ことばを話すためには、<こころ>の働きが不可欠です。<こころ>からことばが生み出される仕組みを探ることは容易ではありませんが、認知のメカニズム、ことばを生み出すメカニズムについて学び、様々な実験をおこなうことによって、ことばと<こころ>の相互作用を見いだすことが可能になります。文化クラスターでは言語データ科学科目と認知に関わる行動データ科学科目を中心に、データサイエンス科目では、言語や心理データを解析するために必要なデータ分析科目を中心に履修するとよいでしょう。
人とコミュニケーションができるコンピュータを作ることは人類にとって長年の夢ですが、それを実現するためにはやらなければならないことがたくさんあります。私たちが人と会話をすると、どのような決まり事や共通した特徴があるのか考えることは、自然な会話ができるコンピュータの開発にとって重要ですし、コンピュータの特性を知っておくことも必要です。文化クラスターでは言語データ科学科目を中心に、行動データ科学科目、データサイエンス科目では、情報・コンピュータ科目及びデータ分析科目を中心に履修するとよいでしょう。
なぜ人間が話すことばは1つではなかったのでしょうか。ことばを比較してみると、すぐにその違いに気づきますが、普遍的で共通した部分もたくさんあります。言語間の違いが何に由来するのか、その共通性をどのように説明できるのか考えるためには、様々なことばに関するデータを大量に集め、詳細に観察し、一般化をおこなうことが必要です。文化クラスターでは言語データ科学科目を中心に、文化や社会に関する科目、データサイエンス科目では、データ分析科目を中心に履修するとよいでしょう。
文化事象として、たとえ現代のものを扱うにしても、伝統文化や古典、美術作品の実際をみて知っているかどうかは、学習・研究の深みに異なります。そして、分析手法の形式だけではなく、その理論を理解しているならば、現象に対して適切な解析を行うことができる。その上で、文化を考えてこそ正しい道であろう。四年間は短い。決して無駄のないように。
われわれの日常生活では何気なくことばを用いてコミュニケーションを行っており、メール、ブログ、日記、新聞、講義のテキスト、レポート、小説などを読んだり、書いたりしている。このような人間が使っていることばを自然言語と呼ぶ。自然言語をコンピュータで処理し、機械的に情報と知識を見つけ出したり、モデリングしたりすること学ぶことを通じて、文化と社会への理解を高めると同時に高度な情報化社会に必要となる情報処理の知識とスキルを身につける。
文化現象・社会現象から自然現象までを含む多様な現象を対象にそれらをデータサイエンスの手法で分析し、さらに、様々な変化を捉えるモデルの構築とそのシミュレーションの方法を体系的に学ぶ。
さまざまな文化を、コンピュータを使って工学的に処理・加工・表現などする場合に、それぞれに適合したハードウェア機器を考案するための基盤を身につける。
歴史の研究とは、大量で多彩で多様な人々の文化を総合し、それをできるだけ公平に普遍的に説明すること、そしてその成果を現代社会に還元し活かすことです。そのためには、遺跡や文献さらに寺社や地名など、現在残っている様々な資料の見方と解釈の方法を学び、それらを適切に情報化する必要があります。デジタルデータや地理情報を基に歴史文化情報を総合化することで、見えない過去をできるだけ客観的に甦らせ、歴史から得られる多くの学びを、これからの社会に活かす方法を考えましょう。 関連する進路: 博物館・資料館、埋蔵文化財調査センター、旅行・観光関係、出版、マスコミ、教育関連、まちづくりなど