また、学部が設置された2005年当時は「データサイエンス」というキーワードはほとんど知られていませんでしたが、約20年にわたって、課題の解決のために実践的にデータを利活用する学問としての「データサイエンス」の知識・技能を涵養する教育を継続して実践してきました。近年はAI・データサイエンス人材の育成が重点化されたことにより、「データサイエンス」の文言、概念が広く認知されるようになるとともに「データサイエンス」を冠した学部、学科が急速に設置されるようになりました。おりしものAIブームとも相まって、まさに情報を取り巻く価値観のパラダイムシフトとも言うべき転換点を迎えているといえます。
このような中、現在、「文理融合型教育」「データサイエンス教育」は、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(中央教育審議会答申,2018)」や「AI戦略(内閣府,2019)」でも最重点課題として取り上げられ、もはや国策として注目される共通課題となりました。このように今、「文理融合型教育」「データサイエンス教育」の重要性が広く認知されるようになったことは、いずれも教学の中心として据え、これらを先導してきた本学部としては、感慨一入の境地です。
そこで、2025年に学部設置20周年を迎えるにあたり、「文理融合型教育」「データサイエンス教育」のパイオニアとして、今後も当該分野における先導的立場としてさらに飛躍し、進化し続ける学部でありたい、との思いで、5年の検討期間を経て新カリキュラムの検討、策定に取り組んで参りました。
いよいよ2024年から、多様性に基づく知の集積拠点「文化情報学部」の次なるステージに向けて新カリキュラムがスタートいたします。住みたい社会、あるべき社会に実現のために、「解くべき課題は何か」「何が人類の幸せであるのか」を、人類が100万年かけて蓄積してきた文化に学びながら、文化情報学部は進化し続けます。私達と一緒に人類の叡智に新たな1ページを刻んでくれる仲間が来て下さることをお待ちしています。