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教員紹介

音文化研究室
柳沢 英輔助教(有期)

柳沢 英輔 助教(有期)

プロフィール

2010年、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科博士後期課程修了。国立民族学博物館外来研究員等を経て、2015年より現職。学部生時代は、ロック、民族音楽、電子音楽、サウンドアートなど幅広い音楽/芸術に傾倒し感性を磨く。音と文化の関わりに興味を持ち、現在はベトナムを中心とする東南アジアや京都でフィールドワークを展開する。現地で記録した音や映像を編集し、フィールド録音作品や民族誌映画の制作にも取り組む。

各地域で継承される“音の文化”に迫る

それぞれの地に息づく音の文化

ヒグラシやツクツクボウシなど、蝉の声を繊細に聞き分けて楽しむのは、実は日本人ならでは。各地域の文化は、食や建造物だけでなく、音や音の捉え方にも表れているのです。私が研究しているのはこの「音文化」。音楽に限らず自然や環境の音も含めて、その場所で感じる音を風景として捉えるサウンドスケープも関連する概念です。例えば、国や地域、時代によって見える風景が異なるように、聞こえる音やその捉え方も異なります。

これまでの主な研究対象は「ベトナム中部高原とその周辺地域におけるゴングを中心とする音の文化」。大学院生の頃、偶然出会ったゴング音楽に心打たれたことがきっかけでした。

人々のつながりを育むゴングの音

ゴングとは、アジア各地で用いられている金属製の打楽器です。ベトナム中部高原では、山岳少数民族が代々ゴングを受け継いでおり、重要な儀礼や祭礼の際に演奏します。演奏者はそれぞれが異なるピッチに調律された1枚のゴングを担当し、タイミングをずらして叩くことでリズムやメロディーを生み出します。

これまでに数回現地に長期滞在し、少数民族ごとの演奏機会の詳細や、演奏形態の変容とそれに関連する社会背景などについて研究を進めてきました。また、音響・映像メディアを用いて儀礼・祭礼におけるゴング演奏や、ゴング調律時の音の変化などを記録し分析しています。古くより精霊と交信するために奏でられてきたこの音楽には、観客と演奏者との明確な区切りはありません。演奏者はプロの音楽家ではなく普段は農業をしている普通の村人です。演奏には若者から年長者まで多くの村人が参加します。村落共同体としての緩やかなつながりを育むゴングの音への興味は尽きません。

音文化から京都の魅力を開拓

今後はゴング文化の研究と並行して、京都の音文化について研究を進めるつもりです。寺院の鐘の音、祇園囃子などの京都を象徴する音に加えて、嵯峨野などでかつて行われていた「虫聴き」や、庭園に設けられたししおどし、水琴窟などの音響装置。自然や環境の音に耳を傾ける音文化から京都の魅力を開拓したいと思います。また、超高周波音など人の耳には聞こえない音にも着目し、サウンドスケープの新たな研究手法の開拓をめざします。

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