FACULTY MEMBERS
常識と言われていることや、既存の枠組みを疑う。それが、社会現象を解き明かすために最も重要な視点です。
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眞田 英毅

学部助教

PROFILE

2022年、東北大学大学院文学研究科総合人間学専攻行動科学専攻分野博士課程修了。同年より現職。博士(文学)。学生時代に社会調査・分析を行う科目を履修したことを機に、社会学分野に関心を抱くように。学校外教育や教育達成、文化資本、いじめの規定要因、虐待の連鎖といったテーマについて研究を行っている。

新たな枠組みから教育問題を捉える

社会調査から見えてくる学校が抱える課題の実態

さまざまな課題の存在が指摘されている「学校」や「教育」について、社会学の観点からより客観的に考察を深めようというのが、私の研究です。これまで、塾・通信教育といった学校外教育を利用する層や効果、幼少期の暴力体験が体罰容認意識に与える影響、といったテーマに対して、統計分析を用いてアプローチを行ってきました。
とりわけ、学校でのいじめは世界中で無視できない教育問題となっており、心理学や教育学、社会学の分野で多くの研究成果が蓄積されています。そうした中で私は、いじめについて学校という枠組みを越えた「出身階層」という切り口から検討。家庭の社会経済的地位を踏まえ、どのような属性の子どもがいじめ被害・加害を経験しているのか、といったことを、社会調査で得られたデータをもとに研究しています。

社会を数字で読み解く面白さ

社会調査データの分析を行うようになったのは、学生時代に、世の中のあらゆる現象をデータから明らかにできる楽しさを知ったことがきっかけでした。アルバイト時間は睡眠時間に影響を及ぼすのか?大学生は何を幸福と考えているのか?身の回りにありふれたテーマでも、統計的手法を用いると客観的に分析できる点に魅力を感じたのです。
統計というと難しそうに聞こえますが、平均や中央値、標準偏差、分散といった基本的な数値から分かることもたくさんあります。現代社会の傾向を数字で読み解くことで、今まで見えなかった事実や要因同士の連関に気づけるのではないでしょうか。

研究の起点は「当たり前」を疑うこと

社会学研究の面白さは、世の中の「当たり前」を疑うことで新たな観点から社会現象を明らかにできることにあります。統計分析を行っても、思うような結果が得られない場面も少なくありませんが、新しい発見をした瞬間には大きなやりがいを感じます。
学生の皆さんも、自由な発想を持って社会を客観的に眺め、時には物事を疑って見るようにしてください。私たちが生きる社会はさまざまな社会現象の上に成り立つもの。それらを見つめ直し、興味深いテーマを探し出してみましょう。