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いにしえの人々が詠んだ

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いにしえの人々が詠んだ”言の葉(ことのは)”の世界を探る

膨大な和歌データの海を、 タイムトリップする
古典和歌のことば

 「梅に鶯」「紅葉に鹿」など、決まりごとに満ちている古典和歌の世界。古来、日本人は、和歌によって美の型を学んできました。古典和歌の表現は、真似し真似されしながら、伝統を継承してきたのです。ところが、歌を作るとき、どのような既存の歌や表現を材料にしたのか、また、個々の歌語(歌に用いられることば)から、当時の人たちがどんなイメージを感じ取っていたのか、現代人にはわかりにくいものです。千年もの時を隔てれば人を取り巻く文化も変わりますから、ことばの理解が困難になるのも当然のことと言えるでしょう。 


用例収集の方法

 そこで、文学研究においては、同じ語句が用いられた例を網羅的に集め、その使われ方を吟味していくという方法が、伝統的にとられてきました。くずし字(掛け軸に書かれた、流れるような筆を思い出してください)で記された写本や版本を最初から最後まで読んでいき、用例を拾うのです。後には、読みやすい活字本が出て、用例がとりやすくなりました。さらに、用例の見落としを防ぐため、句索引(5-7-5-7-7を句ごとに切って五十音順に並べたもの)や総索引(単語に切ったもの)も作られるようになりました。

 近年では、電子化されたテキストをコンピュータで解析することにより、以前とは比較にならないほど短時間で、膨大なデータから用例を正確に収集できるようになっています。


最後は“アタマ”で考える

 しかしそこからどんな新しい“発見”ができるかは、研究者自身の力量にかかっています。自分がもっている知識を総動員して、収集した用例から何が読み取れるか、考え抜くのです。必要に応じて、古記録や系図などの歴史資料も参看して、論を組み立てていきます。研究の歴史の長い和歌文学の世界ですが、今後明らかにすべき問題は、データの中に、まだまだたくさんころがっているのです。そして、その答えもおそらく、データの中に……。